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有原、さすが~。ソフトバンク有原航平投手(32)が16日、宮崎春季キャンプ第4クール2日目で初めてブルペン入りした。捕手を座らせ、直球のみを計29球。オフは独自の調整が一任されていた「S組」で、15日のチーム合流後初の投球を首脳陣も絶賛した。昨季は14勝でパ最多勝に輝き、今季は2年連続で開幕投手に内定。大役に向け、盤石のスタートを切った。
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室内に、ミットの乾いた音が響く。有原は1球、1球を丁寧に投げ込んだ。直球のみを計29球。最速140キロを超え、球質も申し分なし。宮崎春季キャンプ初のブルペン投球を終え、仕上がりは順調そのものだ。「感覚的にも、いい感じで投げられている。ほんとに順調にきている」。エースの投球に視線を送った小久保監督は「自分たちで(しっかり調整)できる人は、してくれたなということですね。だから1軍なんです」と目を細めた。
例年とは違う調整方法が、プラスに働いた。独自調整が認められた「S組」発進で、15日にキャンプ地の宮崎に合流。それまでは、福岡県内で自主トレを続けていた。過去2年は1日にキャンプインしており、今年に限れば自らと向き合う時間が増えた。「時間をもらっていい感じに調整ができた」と明かす。
昨年11月26日に、異例の早さで小久保監督が「開幕有原」を明言。シーズンまで約4カ月前の時点で指名したことで、倉野1軍投手チーフコーチは「早く決めたことが、現段階でいいふうに作用しているのかなと。すごくいい調整ができたんじゃないかなと思います。今の時期にしては申し分ない」と評価した。
2年連続の大役へ自覚は十分。今季初の実戦は、宮崎で1イニング登板を予定する。倉野コーチは「確定はしていない」と前置きした上で「どこの試合で投げて開幕に合わせるか。だいたいのプランは決まっています」と明かした。本拠地で開幕する3月28日のロッテ戦に向け、逆算のプランが出来上がっている。
気持ちが高ぶる“共演”もあった。日本ハム時代のチームメートで新加入の上沢がブルペン右隣で投げていた。有原は「先発陣でもっとイニングを投げられるように僕も頑張っていきたい」と力を込めた。昨季のパ最多勝右腕が先発陣を引っ張っていく。【佐藤究】
<有原の過去2年の宮崎春季キャンプ>
◆23年 A組(1軍)でスタートし、2月2日に初のブルペン入り。捕手の甲斐(現巨人)を相手に約30球を投げ込んだ。
◆24年 先発ローテーション入りが確定し、A組のスタート。2月7日に初めてブルペン入り。立ち投げで21球、捕手を座らせて5球を投じた。調整は順調で、2月中旬にソフトバンクでは初となる開幕投手が決定した。