
<明治安田J1:G大阪2-5C大阪>◇14日◇第1節◇パナスタ
33年目のJリーグが大阪ダービーで開幕し、主役はC大阪の元日本代表MF香川真司(35)が奪った。3月に36歳を迎えるプロ20年目が先発し、初J1開幕弾に1アシストの大活躍。クラブにとって同ダービー史上最多の5得点という歴史的勝利で、アーサー・パパス新監督(45)に白星を贈った。26-27年シーズンから8月開幕に移行し、現行の2~12月の日程は今季が最後となる。J1残り9試合は15、16日に行われる。
◇ ◇ ◇
欧州から復帰3年目の香川が、大阪ダービーで輝きを取り戻した。2-1で迎えた後半7分、MF阪田のシュートが目の前にこぼれ、相手GKの動きとは反対の左隅へと技ありゴールを決めた。
「1秒ほど止まっている感じがした。GKの逆をつき、フリーすぎたので逆に緊張した。今年どれだけやれるか、個人では自信があっても(周囲は)疑いの目を持っている。パフォーマンスではねのけるしかなかった」
ドルトムントへ移籍直前の10年3月、G大阪戦に初出場。以来、リーグ戦5試合目で宿敵から初ゴール。J1通算56試合11得点も開幕弾も自身初めてだ。
昨季は左肘脱臼などけがが重なり、10試合1得点と低調に終わった。この9カ月でプレータイムはわずか1試合(23分)だけ。限界説がささやかれた中で、小菊監督からパパス監督に交代し、開幕先発を奪い取った。
ボランチで攻守にかじ取りし、20歳北野の先制点は自らがつぶれ役になり、アシストした。試合前に「お前は(過去と)別人、迷わずにやれ」と励ました。今季から副主将の肩書はついたが、マンチェスターUなど世界に名を残した男には当たり前の仕事だった。
「僕はボランチだけど、いかにペナルティーエリアに入っていけるか。入らないと何も起こらないし、その自負はある」
疑いの目とも戦い、つかんだ尊い開幕1勝。世代交代を目指すC大阪だが、香川の壁はまだまだ高い。【横田和幸】
▽C大阪パパス監督(12日に誕生日を迎えて就任初戦で記念星に)「初めての大阪ダービーを素晴らしい雰囲気でやらせてもらった。まだまだ、ここから成長していかないといけない」