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真のエースへ。中日高橋宏斗投手(22)が、日刊スポーツなどの合同インタビューに応じ今季への熱い思いを語った。
昨季は12勝4敗、セ・リーグ最優秀防御率1・38と活躍。今季はさらなる高みを目指すため、自慢の直球と第3球種のカーブに磨きをかけている。【取材・構成=石橋隆雄】
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「いいスタートが切れた。昨年と投げている球が全然違う」。今キャンプ高橋宏の表情はとにかく明るい。キャンプ初日にブルペン入りし、いきなり152キロを計測した。「まっすぐをもっと強くしたい。体全体で投げる。腕に頼ったり、足に頼ったりすると腕だけの操作になるので」。トレーニングひとつひとつを丁寧に行い、フルシーズン戦えるボディをつくっている。
昨季は開幕から1カ月出遅れた。4敗のうち3敗は8月以降。9月は4試合1勝2敗、防御率3・38と大事な終盤で力を発揮できず悔しい思いをした。「後半は思ったようなまっすぐが投げられなかった。体力のなさを少し感じました」。
高橋宏は直球、スプリットが主体。「後半、スプリットが見切られてきた時に、まっすぐ1本になると苦しい。そこでもう1個か2個勝負できる球があれば」と、今キャンプ取り組んでいる「第3球種」がカーブだ。「ピッチトンネルに入るボールはスプリットとカットボールがある。そこから外れて打者の目線を上げるボールはカーブかなと思う」。直球系の球の軌道とは違うのがポイントだ。これまで投げてきたカーブは球速130キロ前後。「もう1個遅くてもいいかな。変化量だったり、相手の反応を見てどんどんいいカーブを投げたい。腕の振りが速いので、速い曲がりをするんですがブレーキの効いたカーブを」と、イメージを膨らます。
オフにはドジャース山本と自主トレを行いヒントももらった。「体の使い方を少し教わった。投げたい軌道に乗せることが大事」。山本のようにカーブが勝負球にも使えれば、投球の幅は広がり、シーズンフル回転へも大きなプラスとなる。
地元愛知で育ってきた。「ドラゴンズが強いと(地元は)盛り上がる。(優勝セールとか)スーパー行ってドラゴンズが勝ったか知る人とかもいそう。強いと景気もいいんじゃないか」と笑い「やっぱり弱いと面白くない」ときっぱり。「個人的な目標は置いておこうかな。先発投手なので1週間に1回しかないけど、ほかの5試合にどれだけ影響を与えられるような試合ができるかを意識してやりたい」と、圧倒的投球でチームに勢いをつけるのがエースの使命だと自覚している。3年連続最下位のチームを、強いドラゴンズに復活させるために、高橋宏は腕を振る。