<鷹の捕手激戦バトル>
日刊スポーツではソフトバンクの正捕手争いを「鷹の捕手激戦バトル」と題して宮崎春季キャンプ中に随時お届けします。甲斐拓也捕手(32)の巨人移籍により激化する正捕手バトル。キャンプ初日は高卒7年目の渡辺陸捕手(24)を取り上げます。
◇ ◇ ◇
燃える気持ちに少しばかりブレーキをかけた。ソフトバンクの「正捕手」を目指す渡辺陸は、しっかり心と体を制御して7年目の球春を迎えた。
「張り切り過ぎないことですね。とにかくケガをしなくてよかったということです」
思い出しても苦すぎる経験だった。昨年の2月1日。宮崎キャンプ初日。打撃練習中に左背部に痛みが走った。自主トレ後半から違和感はあった。A組に抜てきされて、気持ちも高ぶった。22年シーズンには20試合に出場。交流戦の対広島で森下からプロ初本塁打を含む2打席連続弾も放った。23年は1軍での出番はなかった。出直しを誓って気合も入っていた。宮崎市内の病院で検査。「左第1肋骨(ろっこつ)の疲労骨折」。宮崎を離れリハビリ組へ移管となった。
「去年のことがあっただけに、絶対にケガだけはしたくなかった。初日を無事に過ごせたのでよかった。同じミスを繰り返すのはプロとして絶対にダメですから」。渡辺は苦笑いしながら言った。
主戦マスクだった甲斐がFAで巨人移籍。谷川原、海野、そして育成盛島。A組での正捕手争いは日を追うごとに激化する。