ドジャース大谷翔平投手(30)の元通訳で銀行詐欺罪などに問われている水原一平被告(40)について、米連邦地検は同被告にギャンブル依存症であるという証拠は認められないと結論づけ、減刑するべきではないと主張したと、ESPNのティシャ・トンプソン記者が30日(日本時間31日)、電子版記事で伝えた。
同被告は昨年3月の開幕戦前にギャンブル依存症であるとチームの前で告白し、大谷の口座から不正にお金を盗んだことが発覚してドジャースから契約を解除された。裁判資料によると、同被告は21年から昨年3月ごろにかけて違法スポーツ賭博で負けた額を取り返すために大谷の口座から約1659万ドルを盗み、胴元側に不正に送金していた。
同記者によると、捜査当局が米国の30以上のカジノの記録を調べたところ、水原被告は2008年のある週末にラスベガスの「ザ・ミラージ・カジノ」で200ドル(約3万1000円)を使った以外は何も見つからなかったという。合法のオンラインスポーツ賭博「ファンデュエル」には2018年にアカウントを作成しているが1度も賭けた記録がなく、大谷の口座からすでに多額の預金を盗んだ後の23年に、別のスポーツ賭博「ドラフトキング」で賭けを始めているという。そこでの賭けは5ドル(約775円)から1400ドル(約21万7000円)の範囲で、対象はNBA、NHL、サッカー、カレッジベースボールだったという。同被告が21年9月に最初に大谷の銀行から4万ドル(約620万円)を盗んだとき、同被告自身の当座預金口座には3万4000ドル(約527万円)以上があり、ギャンプルの借金で生活が困窮していた状況にはなかったと、捜査当局が結論を出したという。
水原被告の量刑言い渡しは2月6日に予定されている。同被告は禁錮1年6カ月に減軽するよう求めているが、地検は「ミズハラは自身の行いを悔いるのではなく、オオタニ氏から多額の金を盗んだ自分を正当化することしか考えていない」とし、求刑通り禁錮4年9月と釈放後3年間の保護観察処分を下すよう主張した。