西武の武内夏暉投手(23)が27日、埼玉・上尾市の通販事業会社「ベルーナ」の本社を訪れた。
同社は本拠地ベルーナドームのネーミングライツ契約を締結中で、球団のオフィシャルスポンサーでもある。武内はこの日、新人王を獲得した昨季の報告と、今季への決意表明のために同社を訪問した。
大勢の社員が武内の訪問を心待ちにした。マスコットの「べるーにゃ」もそれは同じ。通常の装備品(?)ではない赤バットを手にし、ぶんぶんとリストを効かせて(きっと)興奮を表現しながら、待った。
登場と同時に「うわぁ~」と空気がさらに和らぐ。入団時には「人見知りで」とこぼしていた左腕も「いやもう、(部屋に)入ってきた時からいろいろな拍手や歓声が聞こえてきて、応援されているんだなという実感にあらためて気付きました」としみじみ話す。
新人王での自分へのごほうびをべるーにゃではなく社員に問われると「自分の私服とか。服が好きなんで、そういうのを買って」と買ったことを明かす。べるーにゃはうれしそうに左かかとを数センチ浮かす。
スポンサー企業もチームの応援団だ。べるーにゃも自身のXで、時に「負けられない試合」などとチームを鼓舞しながら、ライオンズを支えてきた。この日も西武のユニホームを着て武内を迎える社員たちが何人もいた。
武内はしっかり思いをくみとりながら前を見る。
「昨年は悔しいシーズンだったので。その悔しさを力に変えて。今年はチームとしてリーグ優勝、日本一を目標に。個人としては最優秀防御率を目標にやっていきたいと思います。今年も応援よろしくお願いします」
万雷の拍手に送られ、武内は部屋を後にする。丸っこいべるーにゃも横歩きになって、なんとか部屋を出る。その後の舞台裏では頭ナデ、ハグ、目隠しと濃密なやりとりが展開された。【金子真仁】