ロッテ沢村拓一投手(36)が、日刊スポーツの単独インタビューに応じた。4月で37歳を迎える15年目のシーズンへの思い、今季のテーマなどを「ありのまま」に語った。【取材・構成=久保賢吾】
沢村は年末年始を米アリゾナで過ごし、トレーニングを続けた。今月上旬の帰国後も変わらず、シーズンへの準備に集中する。
-昨年12月に結婚を発表。それを機に変化は
特に変わらないですね。野球は仕事、生活なのでそれが全てです。結婚を機に責任感が増すとか、給料が上がったから責任感が増すって言葉を聞きますが、責任感って変わっちゃいけないと思います。自分の仕事に対しての誇りや取り組み方は変わらないですから。妻のため、家族のため、ファンのためはもちろん心にありますけど、一番は自分のために野球をやってるわけですから。
-今季見据えるものは
パフォーマンスを下げないことじゃないですかね。何試合に投げるとか人前で目標とかは言わないですし、自分の中に秘めて黙ってやればいいと思います。あとは物事の“本質”をちゃんと見ること。それが人として成長につながるんじゃないかなと思っています。
-本質を見るとは
自分自身、プロ野球の世界しか知らないですけど、野球界に限らず、本質を見失っちゃってる人が多い気がします。なぜ、そこにいるのか。トレーニングで言えば教える側の人がセミナーなどに行って知識だけが増えて、頭でっかちになってるだけで自分がやってないんですよ。誰々のジムに行ったとか、話を聞いたとか、誰々の専属でしたってだけで、まず自分がやろうともしない。それでは説得力がないと思います。
-若手の頃はウエートトレーニングへの否定的な意見も受けたが己や本質を見失わず貫いたから今がある
いろいろ言われましたよ(笑い)。1年でも長く現役を続けるためには必要不可欠なことだと思ってましたし、揺るぎませんでした。「俺の時はこうだった」と言う人もたくさん見てきましたが、それは固定観念の押し売りですし、自分のケツは自分で拭くので。自分自身、勉強した上で取り組んでましたし、そう言われる度に違和感を感じた。
-中大入学からウエートトレを始め、19年間継続
自分自身の長所は継続できること。本当にこれだけしかないです(笑い)。自分のやってることが、すぐ結果に結びつかないとやめちゃう人が多いんです。やって捨てるならまだいいんですけど、やらないで言う人がすごく多いなと。いやいや、まず自分がやってみようよって。どの時代や環境においても場所や年齢問わず、「やるやつはやるし、やらないやつはやらない」と思います。
-継続に大事なことは
これは違うなと思えば、変わろうとする勇気も1つ。人に話を聞いて、「なるほどな」って思うこともいっぱいあるし、信念は曲げないですけど、変化する勇気も必要だと思います。
-今季のテーマ
僕にとって野球は仕事、生活なので。トレーニングやケアはもちろん食事も寝ることも移動も全てが仕事。現役選手である以上、野球につながること以外しない。2025年のテーマは、そうですね…。「気は使わないですけど心は使って日々生活する」ことです。