サッカー女子日本代表なでしこジャパンのニールセン監督(53)が21日、千葉市内で取材に応じ、個性のアピールを求めた。
5日から来日し、全国高校女子選手権や皇后杯、WEリーグクラブの練習などを視察している新監督。日本の印象について「潜在能力が高い選手が非常にいるなと感じています」と満足げに語った。
デンマークやスイスの女子代表監督を歴任したデンマーク人で、なでしこジャパンにとっては初の外国人監督となる。2月17日から米国で開催されるシービリーブスカップが初陣。世界一奪還へ、新たなスタートを切る。志向するのは「主導権を握るサッカー」。ボールを保持できなくても前へ前へとアグレッシブにプレッシャーをかけていく。その上で選手に求めるのは、強烈な個のアピールだ。
「選手の現時点での最高をみせてほしい。チームに合わせるために自分らしさを失うこともあるが、まずは自分らしさを出しほしい。自分の強みを出して自分が何者か見せてほしい」
万能タイプよりも突き抜けた個性を歓迎する。「特別なものを持っている選手を選ぶようにする。何ができないは気にしない」。圧倒的なスピード、技術、対人、空中戦、選手それぞれの秀でたものを組み合わせて最強チームを作っていく。
短所に目をつむり、長所に注目するのは、ロックンローラーならではの信念かもしれない。幼い頃から音楽が好きで、ギターの演奏や歌をたしなんだ。左耳のピアスは当時の名残で、エリック・クラプトンなどを好み、最も崇拝するのは「キング・オブ・ポップ」ことマイケル・ジャクソンだという。「彼の曲は聞くといつも新しい感じがする。聞く度に何か新しい発見がある」。ムーンウオークもお手の物。色あせない音色に心躍らせ、日々の営みを豊かにしてきた。
ユニークな一面も垣間見えた。「1つだけ皆さんにお約束します」と切り出し、「何か主要な大会でトロフィーを取るようなことがあれば、何か音楽を披露します。でも、まずはその主要な大会でトロフィーを掲げることが第一です。まずはチームのパフォーマンスを楽しみにしてください」と笑った。2年後の女子ワールドカップ(W杯)ブラジル大会で2度目の優勝を果たし、お気に入りの名曲「Smooth Criminal」を全力パフォーマンスする。【佐藤成】