＜UEFAチャンピオンズリーグ（欧州CL）：Aマドリード2－1レーバークーゼン＞◇21日（日本時間22日）◇1次リーグ第7節◇エスタディオ・メトロポリターノ
【マドリード＝高橋智行通信員】アトレチコ・マドリード（スペイン）がアルゼンチン代表FWフリアン・アルバレス（24）の2ゴールで、レーバークーゼン（ドイツ）に2－1と劇的な逆転勝ちを収めた。前半23分に退場者を出した上に先制点も奪われ危機的状況にありながら、後半にエースの2得点で試合を引っ繰り返した。5勝2敗の勝ち点15と伸ばし、暫定3位に浮上した。
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Aマドリードは週末のレガネス戦に敗れ、クラブ史上の公式戦最多連勝記録が15でストップ。国内リーグは2位につけ、欧州CLは11位と、決勝トーナメント1回戦（16強）にストレートインできるトップ8入りが視野に入っている。シメオネ監督はレガネス戦からスタメンを2人のみ入れ替えてシステムを4－4－2から5－3－2に変更し、グリーズマンとフリアン・アルバレスを前線には位置した。
レバークーゼンは公式戦11連勝中、ブンデスリーガ2位、欧州CL4位と絶好調。シャビ・アロンソ監督は週末のリーグ戦から先発メンバーを5人入れ替え、ビルツをトップ下、テラをワントップで起用する4－2－3－1で臨んだ。
直前まで激しい雨が降り、スリッピーなピッチコンディションの中で試合がスタート。主導権を握ったのは、ドイツから駆けつけた1500人のサポーターの熱い応援を受けたレバークーゼンだった。序盤からボールを圧倒的に支配し、Aマドリードを押し込んだ。
そして18分、レバークーゼンは最初の決定機でテラがゴールネットを揺らすも、その前にクロスを入れたグリマルドがオフサイドを取られてノーゴールとなった。さらにビルツやテラがAマドリードゴールを襲うも、GKオブラクの牙城を崩せなかった。
その直後の23分、Aマドリードにアクシデントが発生する。バリオスがムキエレのふくらはぎを削るハードタックルで退場となり、早々に数的不利の苦しい状況に追い込まれた。
レバークーゼンは1人多くなったことで支配力をより強め、ピッチを広く使ってパスを回し、ジャカやタプソバがミドルシュートを狙っていく。そして前半アディショナルタイムの46分、ムキエレの右サイドからのクロスをファーサイドで待ち構えたインカピエが頭で合わせ、待望の先制点を記録した。
後半開始後もレバークーゼンがボールをキープしたが、Aマドリードは7分にその隙を突いた。グリーズマンが後方からDFライン裏に正確なロングパスを通すと、そのボールに反応したフリアン・アルバレスが自陣から走り込んで2人に競り勝ち、正確なボールコントロールから同点弾を記録した。
このゴールで息を吹き返したAマドリードはスタンドを埋め尽くしたサポーターの熱狂的な後押しを受け、数的不利の状況を忘れさせる激しいプレーを見せていく。また、17分にビルツがAマドリードのカウンターをファウルで止めたものの、主審が2枚目のイエローカードを出さなかったことで、大ブーイングが起こっていた。
その後、両チームともに決定機がないまま時間が経過し、レバークーゼンは31分にインカピエが、素晴らしい突破力を披露したジュリアーノ・シメオネに対するファウルで2枚目のイエローカードをもらい退場となった。
10対10と同じ人数になったことでAマドリードは攻勢を強め、45分にコレアのパスをペナルティーエリア内で受けたフリアン・アルバレスがGKコバージュをかわして決勝点をマークした。
シメオネ監督は試合後の会見で、2得点を挙げた同胞をべた褒めした。「彼は我々に与えているものを与えるため、ここにやって来た。我々は今、常に彼のことを考えている。そして将来、彼がずっとここにいてくれることを願っている。彼には謙虚さやヒエラルキー、才能、得点力などがあり、非常に気高い青年だ。信じがたい形でチームに適応していった。今日は選手たちにとって特別な試合の一つとなった」と話し、勝利の味をかみしめた。
