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引退の柿谷曜一朗へ 元C大阪GMの西村昭宏さん「私がJクラブにいればオファーしていた」


元日本代表FW柿谷曜一朗(35)が現役を引退しました。柿谷は16歳でC大阪とプロ契約を結び、以降クラブと日本代表で活躍。その引退を受け、元C大阪のゼネラルマネージャー西村昭宏(66)は、彼の決断に対し残念ながらもエールを送りました。西村氏は、柿谷の才能を「日本人にはないイマジネーション」と評し、「天才型」と断言しました。引退発表はJ2徳島ヴォルティスより行われ、西村氏は「もし自分が現役でクラブに所属していたら、オファーを考えた」と惜しむ言葉を述べました。柿谷はキャリアを通じて、サッカー未経験者をも魅了する特異な存在でした。

24年10月にC大阪の練習場を訪問した西村昭宏さん(右)

元日本代表FW柿谷曜一朗(35)が現役を引退することになり、06年にセレッソ大阪でクラブ最年少16歳でプロ契約を結んだ当時のゼネラルマネジャー(GM)、西村昭宏さん(66)が教え子にエールを送った。元日本代表MFで活躍した西村さんはC大阪で監督、コーチ、強化の最高責任者まで歴任し、現在は大阪協会で主に指導者の育成を手がけている。

    ◇    ◇    ◇

柿谷の現役引退は、18日に昨季まで所属したJ2徳島ヴォルティスから発表された。同日、熊本県での日本協会の仕事に出向いていた西村さんは、かかわりの深い柿谷の決断を心から残念がった。

「残念です。本音を言えば、もし私が現在、どこかのJクラブに在籍していれば、彼にオファーをしていたと思う。力はまだある。(スーパーサブなどで)どんな時間帯でもいいから、見たい選手でした」

大体大出身の西村さんは、C大阪の前身ヤンマーで活躍した。84年ロサンゼルスと88年ソウルオリンピック(五輪)予選、86年ワールドカップ(W杯)アジア予選などに日本代表で出場。

引退後はC大阪では、01年9月にヘッドコーチ、同年12月に監督に昇格し、天皇杯準優勝、翌02年のJ2でも準優勝(=J1復帰)。その当時のトップチームの練習場は、大阪市西成区南津守にあり、下部組織の小学生らも同じ敷地で練習を重ねていた。

特にコーチ時代の西村さんは、小学生(ジュニアチーム)らの指導も兼務し、高学年だった柿谷の存在は既に別格だったという。

その後は04年12月から07年5月まで、クラブの強化最高責任者にあたるGMを務め、在任中の06年に高校生でプロ契約を結んだのが当時16歳の柿谷、1学年上のMF香川真司(35)、昨季限りで引退した2学年上のDF山下達也(37)らだった。

「ジュニアの頃から、曜一朗は目を引いていた。ゴールに向かう際の即興性というか、日本人にはないイマジネーションがあった。僕が彼に『こういうふうにやるんだよ』と方法論を言うと、僕が考えている、違う形で結論にもっていく。『こういうやり方でも、いいんでしょ』というふうに。決して派手なプレーではないが、いい意味で指導者を驚かせてくれるんです。こんな能力を持っている子は少ないし、特異な子でした」

その能力に、西村さんも世間の評価通りに「天才」と断言。同時に香川は「努力の人」と言葉を続ける。

「曜一朗は、サッカーを知らない人を1つのプレーで魅了できた。例えば、サッカーの玄人ファンがいるとします。その人が、サッカーを知らない素人の友人をC大阪の試合に誘ったとします。会場で素人ファンから『あの子すごい』と称賛されるのが曜一朗。玄人ファンをうならすのが真司でした」

西村さんは、天才型と努力型の2人に対し、説明を加える。

「曜一朗は、決して努力をしないわけではない。努力はしていましたよ。ただ、努力の量でいえば真司だった。そこは選手の個性、違いというだけで、優劣はない。曜一朗はキャリアや経験を積んで、責任感も増していき、さらに努力もしていた。気持ちも優しい選手です。最後に世話になった徳島でプレーしたのも、熱い思いがあったからでしょう。C大阪で背番号8(クラブのエース番号)を付けた男が引退するのは、本当に寂しいです」

◆西村昭宏(にしむら・あきひろ)1958年(昭33)8月8日、大阪府生まれ。北陽(現関大北陽)高から大体大を経て、ヤンマーで現役を引退。W杯予選など日本代表で国際Aマッチ49試合2得点、日本リーグ通算148試合3得点。G大阪強化部長や日本協会で01年ワールドユース代表監督、技術委員長など要職を経験。C大阪、京都の監督も歴任し、24年2月まで高知(当時JFL、現J3)で監督やGMを歴任し、同年秋から大阪協会入り。多くの修羅場を経験した日本サッカー界の重鎮。

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