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【JFL】クリアソン新宿J3昇格へ「オーバー30戦略」北嶋秀朗監督「バチバチのいい音を奏でる」


クリアソン新宿の北嶋秀朗監督は、J3昇格を目指す2025年の新体制を発表し、昨季の反省を踏まえた戦略を強調しました。前年14位に甘んじたチームは、守備を重視しつつ得点力を向上させ、新加入のオーバー30選手の経験を活用していく計画です。特に、このオーバー30戦略を通じて、チームは「経験値で凌駕」することを目指しており、監督の戦術は抽象度を高めることで選手の自発的なプレイを促進しようとしています。さらに、北嶋監督は経験豊富な選手とともにサッカーを通じた社会的連携を強調し、クリアソン新宿が独自の路線を歩むことを目指しています。クリアソン新宿は、多様な人々がサッカーを通じて繋がる場を提供し、地域社会に寄与することをクラブのミッションとしています。

新体制発表でスポンサー企業の変動についてプレゼンを行うクリアソン新宿FW岡本達也

JFLクリアソン新宿の北嶋秀朗監督(46)がJ3昇格に照準を定めた。19日、クラブは東京・新宿で2025年の新体制発表会を実施。監督1年目の昨季は16チーム中14位と屈辱を味わっただけに、捲土(けんど)重来を期す2年目となる。

北島監督はファン、サポーターなど支援者を前に熱く語りかけた。

「昨年の新体制発表会でJ3に昇格させると話ながら、みなさんには残念な思いやつらい思いをさせてしまいました。その監督が今年も続けるということで、疑問の声や厳しい目が向けられてしまうということは、僕も30年近くプロの世界で生きていますので当然のことだと思っていますし、当たり前のことだと受け止めています。なぜ今年、監督を続けたいと思ったのか、このクリアソン新宿とともに歩んでくださっている素敵な方たちとともにする素敵な空間がある。情熱的で温かくて、愛情深い。この素敵な空間が大都会東京、新宿のど真ん中に存在している。この素敵なく空間を僕はどうしてもJリーグに届けたい。どうしても日本中に、世界中に見せたい。その思いやモチベーションがまったく落ちることがなかったので、今年の監督を引き受けることにしました」

昨年の反省から堅い守備をベースにして、得点力のアップを図る。J1アルビレックス新潟からMF島田譲、J2ベガルタ仙台からFW中山仁斗。J3ヴァンラーレ八戸MF前澤甲気ら7選手が加入した。チームは始動して1週間になるが、30歳以上の経験値の高い選手が加入したことで、練習から求める基準が上がっているという。既存のメンバーたちも「負けねえぞ」と意識が高ぶっており、練習からバチバチしたいい音を奏(かな)でている。

「このいい音を1年間継続することができれば、Jリーグは近づいてくると思いますし、バチバチした音を奏で続けさせることが僕の仕事」と意欲を口にした。

ところで、島田が34歳なら、中山は32歳、前澤も31歳と補強した選手は30歳以上の経験値の高い選手が目立っている。気になるこの点について、丸山和大代表が説明した。

「僕らはオーバー30戦略というのを今年取っています。30オーバーになるとJ1やJ2では年齢でフィルタリングされるようになっている。僕からすれば、30オーバーの方がサッカー界のことも良く理解しているし、経験も言語化できる。J1、J2、J3で出ている30オーバーのリストを僕らはすごく熱く思っているし、結構、フィット感がある。長くJ1でやってきた選手たちは、じゃあ自分のサッカーを何のために使うのか、って考え出す。そういうところはクリアソンの理念とも一致しやすくなります」

オーバー30戦略-。強化担当責任者の上田康太氏を中心にリストを作成し、北嶋監督ら現場の意見を取り入れながら進めている。運動量など強度が求められる現代サッカーにおいて、年齢はとかく気になるところだが、クラブはJFLを戦う上で問題はなく、むしろ経験値で凌駕(りょうが)できると分析している。戦力的にはJ3昇格が狙える人材が整ったとクラブ側の手応えは十分だ。

そんな事情を踏まえ、北嶋監督は意欲を口にした。

「既に(練習から)彼らの基準をプレーの中で示してくれている。去年足りなかったがクオリティーの部分が必要となる中で、彼らがそのクオリティーを発揮してくれれば。通らなかったパスも通るし、通ったところも決める人がちゃんと決めてくれることができれば、順位は上がっていくと思っています。守りの部分を大事にしながら、勝ち点1を持ちながら、攻撃の関係性の質を上げたい」

そして監督としてのアプローチとして、大事にしたいのが「具体性よりも抽象度が高く、みんなで作り上げられるようなサッカー」だと口にする。一見、具体性が多い方がより物事が明確に見え、選手たちのコンセンサスも図れるように思うが、昨年も失敗から見えたことだという。

「具体性が高いほど、彼らはそれを愚直にこなそうとした。本当はもっと大きなものを達成したいために具体的に言っているのに、具体的が目的になってしまう感じがあった。だから抽象度を高くして、出てきた具体的なところを拾ってあげる方のバージョンで今年はやっていこうと思っています」

先回りして情報を与えすぎてしまい、消化不良を起こすことがないように。監督1年目に悩み、苦しんだことで、見えた一つの方策という。

「昔はもう少し抽象度の高い監督が多かったので、選手たちが自分で考えることが多かった。やっぱり時代が進んで大切になっている部分はありつつも、また時代を遡(さかのぼ)ったり、進んだりしていく。具体、具体としすぎるのも良くないというのも、また理論として出ている。どれだけ緩めたものを伝えるかということも重要なのかなと思っています」

監督の難しさ、一方でチームをまた違った形で作っているおもしろみが言葉の端々に出ていた。

大都会東京のど真ん中、新宿を拠点に老若男女、国籍を問わず多様な人々がサッカーを通じて繋がり、豊かな社会の創造をもたらす。サッカーありきでなく、社会の中にサッカーをどう活用していくか、そんなミッションが見えている。

昨季は年間ホーム入場者数4万3452人でリーグ1位を記録しているが、ホームスタジアムを持たないという観点からしても、クリアソン新宿は日本にあるサッカークラブでは唯一無二の独自路線を歩もうとしている。

掲げる目標は高らかに、2025年のJFL優勝。3月9日、FCマルヤス岡崎との開幕戦で新シーズンをスタートさせる。【佐藤隆志】

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