目指せ、日本の超新星-。阪神前川右京外野手(21)が、侍ジャパンにリストアップされていることが19日、分かった。
3月5、6日の強化試合オランダ戦(京セラドーム大阪)のメンバーとして、招集されればアマ時代も含めて初の「日の丸」になる。昨季は持ち前の打撃技術で左翼のレギュラー格に台頭。高卒4年目で突き抜けてブレークすれば、日本が連覇を狙う26年WBCのメンバー入りも見えてくる。
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虎の未来を照らす若虎に、侍ジャパンも熱視線を送っていた。3月5、6日に行われる強化試合オランダ戦のメンバー選考が進む中、前川が候補に残っていることが判明。阪神森下や中野が選ばれた昨年3月の欧州代表戦と同様に、新星候補がリストアップされ、伸び盛りの前川も有力候補の1人に挙げられている。
球界関係者によると、侍ジャパンの井端監督が、その打撃センスを高く評価している。走攻守そろったタイプが多い日本代表だが、前川は3拍子には届いていない。いかに打撃への期待が高いかが分かる。昨季は高卒3年目ながら自己最多の116試合に出場して打率2割6分9厘、4本塁打、42打点。3&5番も任されるなど数字には表れにくい、追い込まれてからのしぶとさ、状況に応じた打撃が大きな武器だ。
昨年11月のプレミア12では、阪神で兄貴分の森下が4番を任され大活躍。打率3割5分7厘、1本塁打、9打点で準優勝に貢献し、ベストナインにも選ばれた。前川は「世界の舞台でもああいう打撃ができるのはすごい」と感激。侍ジャパンのユニホームに「いつかは着てみたい。でもまずは阪神で活躍しないと」と目を輝かせていた。
阪神では、外野も守れる右の大砲候補新ラモン・ヘルナンデス内野手(28=メキシカンリーグ)や井上らと左翼のレギュラーを争う立場。今冬は上半身の筋肉をつけ、体重も4キロ増の91キロと全体的にたくましくなった。長打力も強く意識し、1段上の打撃に取り組んでいる。同郷の中日岡林との三重での合同自主トレでは課題の外野守備の極意を教わるなど、貪欲にレベルアップに励んでいる。
3月の強化試合は開幕を約3週間後に控えた大事な時期。選考にはキャンプでのコンディションや、各チームの事情が大きく関わる。前川が好調を維持して選ばれれば、球団がGOサインを出す可能性は高い。
侍ジャパンは本番となる26年3月の第6回WBCで、ドジャース大谷らベストメンバーのチーム編成を目指している。その1年前に行われるオランダとの2試合は大事な試金石。シーズンも含めて井端監督に強烈な印象を残せば、WBCでの代表入りも夢ではない。