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【こんな人】「天才」柿谷曜一朗は生意気、でも優しく憎めない 同期香川真司との比較嫌がる面も


元日本代表フォワードの柿谷曜一朗(35)がプロサッカー選手生活に幕を下ろすことになりました。セレッソ大阪で16歳の若さでプロ契約を結び、「天才」と称されてきた柿谷は、日本代表として2014年のブラジルワールドカップにも出場しました。また、瑞士のバーゼルへの移籍を果たすなど、活躍の場を海外に広げました。彼のキャリアでは、J1で通算238試合に出場し、52得点を記録するなど、数々の芸術的なゴールでファンを魅了しました。柿谷はその類まれな才能とともに、生意気かつ優しい人間性で知られ、多くのエピソードを残しています。引退後は、セレッソ大阪で引退会見を行う予定で、その人間味あふれる姿勢にファンや仲間から惜しまれる存在となっています。

柿谷曜一朗

<こんな人>

元日本代表FW柿谷曜一朗(35)が現役を引退することになり、昨季まで在籍したJ2徳島ヴォルティスが18日、発表した。16歳でセレッソ大阪とプロ契約を結ぶなど「天才」と呼ばれ、14年W杯ブラジル大会出場や欧州移籍を24歳で実現。芸術的なゴールを量産し、J1通算238試合52得点を記録した希代のストライカーは、プロ19年間でスパイクを脱ぐことになった。近くC大阪で引退会見を行う。

 ◇   ◇   ◇

とにかく生意気な選手だった。でも、優しいところがあって、それが憎めないところでもあった。17年の開幕前、合宿先の宮崎でインタビューをした。

「俺、反抗期が長かったんです。プロになってからも、親に注意されると家を飛び出した。記者の人にも迷惑をかけたでしょ?」

すごい選手だった。ただ、もっとすごくなるはずだった。プロ2年目の07年夏に韓国・高陽で開かれたU-17W杯にエースとして出場。フランス戦で決めた50メートル弾は衝撃だった。サッカーの番記者を15年ほどしたが、現場で見た記憶に残るゴールを問われれば、10年W杯南アフリカ大会・デンマーク戦の本田圭佑の無回転FK弾か、あの日の柿谷のゴールを挙げるだろう。

1つ上の香川真司とは同期入団で、比較されるのを嫌った。幼少時代から元日本代表MF森島寛晃(現C大阪社長)に憧れ、09年に香川がモリシの代名詞となる8番を受け継ぐと「何で俺じゃないんすか!」と本気で悔しがった。

14年W杯ブラジル大会は直前までFWの中心として起用されながら、大久保嘉人がサプライズ招集されると控えに回った。彼は大久保を慕い、いつも一緒。優しく繊細な性格が活躍の邪魔をした。W杯後はバーゼルに移籍するが、フィオレンティナなど名門からもオファーが届いていた。「俺は言ったことが、その通りになったことがない。でもW杯は先発したかった」。

いい時も、悪い時もあった。そんな人間味あふれる選手をプロ1年目から取材させてもらった。【元C大阪担当、編集委員 益子浩一】

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