<皇后杯全日本女子選手権:新潟レディース1(3PK0)1日テレ東京V>◇18日◇準決勝◇サンガスタジアムbyKYOCERA
新潟レディース(WEリーグ)が日テレ東京V(同)とのPK戦に及ぶ死闘を制し、8大会ぶり5度目の決勝進出を決めた。0-1の後半追加タイム5分にDF富岡千宙(23)が同点弾。延長で決着はつかなかったが、PK戦でMF下吉優衣(19)DF横山笑愛(18)FW田中聖愛(19)のルーキートリオが連続成功し、GK平尾知佳(28)も2本を止めるなど3-0で退けた。クラブ初タイトルを懸けた決勝は25日、EピースでWEリーグ2連覇中の三菱重工浦和と対戦する。
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最高の結末が新潟Lに訪れた。1-1で120分を戦い抜いた後のPK戦に、勝負の行方が委ねられる。GK平尾が1人目をセーブして、勢いづく。下吉、横山が連続で決めて2-0で迎えた3人目も止め、最後はキッカー田中が締めた。平尾は「何か、うまくいきました」と笑いながらも「若い子たちが3人、蹴った中で、練習でも(PKを)受けていて、あの子たちなら決めてくれると思いながらやれた」と喜んだ。
不安はあった。リーグ戦と違って、延長戦、PK戦もある中、試合前は「あまり得意じゃない(笑い)。できればPK戦の前に決まっていてほしい」と話していた。思いは届くのか、くしくもPK戦までもつれたが、大一番で2本ストップと輝く。チームとしては皇后杯の決勝4度のうちPK戦で2度、敗れてきた。ファイナルを前に苦手意識も払拭する“完勝”だった。
敗戦濃厚だった0-1の後半追加タイムには、チームを救う同点弾をお膳立てした。右CKを獲得し、ラストワンプレーと見るや「点を決めるつもりで」と平尾もゴール前へ上がった。相手の警戒を誘い、つぶれ役に徹し、最後は富岡がこぼれ球を押し込む。「最後まで諦めなかった結果。チーム一丸でやれた」。勝利への執念が最後に勝った。
「本気でタイトルに挑む」を掲げて始動した。昨季はWEリーグ杯決勝で広島に敗れて準V。ここもPK戦で、あと1勝に見放されてきた。苦い経験を糧に「悔しい思いをしてきた。タイトルに向けて本気で挑んでいる。決勝の舞台で勝利したい」と守護神。1週間後、忘れ物を取りにいく。