広島新井貴浩監督(47)が18日、和歌山県の高野山清浄心院で約2時間の護摩行を行った。04年から始めた恒例行事も今回で21度目。池口恵観大僧正(88)が例年よりも多い1700~1800本もの護摩木をたき、炎の高さは2メートルを超えた。その前で新井監督は不動明王の真言を唱え続け、終わると顔を真っ赤に腫らした。
9月上旬まで首位を走りながら大失速して4位に終わった昨季の悔しさを炎にぶつけた。「昨年の悔しさを思い出しながら護摩行の火と向き合っていました」。終了後には一般客の前で今季の優勝を宣言。「護摩行の炎のように燃やし続けて優勝したいと思います」と言い切った。
炎の前で一歩も引かずに向き合った。「毎年嫌だね、これは。苦しいよね」と笑ったが、対峙(たいじ)し続けた。「気持ちが引けたらどんどん火に押されるので、気持ちだけは無事に戦って逃げないという気持ちでやっていたね」と真っ赤な顔で振り返った。
もちろん今季の優勝も願いに込めた。「(池口)先生からも『去年はあともう少しのところだったので今年もっともっと気合を入れていきなさい』とお言葉をいただいたので全力で頑張っていきます」と期待にも応えるつもりだ。
今季は監督就任3年目で「毎年勝負ですね。今年も勝負の年です」ときっぱり。経験を積んだ選手にはハッパをかけ、「中堅、ベテランは結果を出してほしい。若手だけじゃ絶対足らない。彼らの力や経験が必要だからね。必要だから結果を出してほしい」と願った。
すでに今シーズンの戦うプランはイメージ済み。「点を取らないと楽しくない。特にファンの方はたまには1-0とかの試合もいいけど、ずっとそういう試合をやると面白くないですから。得点を取れる野球をしたい」。昨季はリーグ5位だった得点力アップで7年ぶりの優勝をつかみ取る。