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【野球殿堂】岩瀬仁紀氏「前だけ向いて」NPB最多1002試合登板407S 引退後に偉業実感


元中日のクローザー、岩瀬仁紀氏が日本野球殿堂入りを果たし、その栄誉を受けるスピーチで指導者たちへの深い感謝の意を表しました。現役時代にNPB最多の1002試合に登板し、407セーブを達成した彼は、中日ドラゴンズで20年の選手生活を送りました。彼は恩師である星野仙一監督や山田久志氏、落合博満氏、森繁和氏、谷繁元信氏の名を挙げ、「守護神として君臨する自分を育ててくれた」と感謝の意を述べました。特に、2007年の日本ハム戦での継投による日本一達成の場面は、最も印象深い思い出として語られ、「守護神岩瀬仁紀」の誇りを強調しました。

野球殿堂入り通知式でスピーチする岩瀬氏(撮影・垰建太)

野球殿堂博物館は16日、今年の殿堂入りメンバーを発表し、元中日のクローザー岩瀬仁紀氏(50)がプレーヤー表彰で選出された。

NPB最多の1002試合に登板し、最多407セーブをマーク。6度の日本シリーズでも防御率0・00と修羅場をくぐり抜け、抑え投手の地位向上に貢献した。20年もの現役生活の礎となった指導者たちに感謝の言葉を並べ、守護神としての誇りを口にした。

   ◇   ◇   ◇

岩瀬氏が恩師の名を並べた。「最初に星野(仙一)監督、山田(久志)さんに野球の厳しさを教わって。その後に落合(博満)さん、森(繁和)さんには、抑えとして君臨できるような選手に育てて頂いて、今があると思います。谷繁(元信)さんには技術、配球を学ばせて頂きました」。球史を彩る名選手の教えの結晶が「守護神 岩瀬仁紀」だった。

抑えても打たれても、目の前に必死だった。5度の最多セーブ、3度の最優秀中継ぎにも「前だけ向いて日々を過ごしていた。記録をいろいろ作らせて頂きましたけど、現役中に振り返ることはなかった」。セーブシチュエーションになれば、毎日のように出番がやってくる。結果を振り返る時間はなかった。ユニホームを脱いで初めて「よくこんなにやったな」と、打ち立てた偉業を実感した。

最も印象に残る場面は07年、日本ハムとの日本シリーズ第5戦だ。8回まで完全投球だった山井大介氏(46)に代わって、9回のマウンドに上がった。3者凡退で日本一を達成したが「今でも『ゾクッ』とするくらい緊張感が走りますし、ましてや日本一が決まる試合。ほっとしたという気持ちが残っています」。歴史的な継投は今も脳裏に焼き付いている。

守護神として一番の誇りは、6度の日本シリーズで20試合に登板し、17回2/3を無失点に抑えたこと。「今日この日を、お世話になった方への感謝とともに、この報告で恩返しとさせて頂きたいと思います」と、殿堂入りへの思いを締めくくった。【黒須亮】

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