巨人西舘勇陽投手(22)が“あの大先輩”との真っ向勝負を待望した。16日、川崎市のジャイアンツ球場で自主トレを公開。寒空の下、東北・岩手県出身の右腕は「寒いですね。だめですね。寒さと暑さは慣れないかなと。どっちも苦手です」と両手をさすった。
年末年始は故郷に帰省し、母校の花巻東にもあいさつをするために立ち寄った。同校野球部の佐々木監督からは「まず、リリーフとして、前半のところはよくやったと言われました。これから先発で回るということに関しては、候補はいっぱいいますし、その中で勝ち上がっていけるようにということは言われました」と恩師から激励を受けた。
3月15日にはドジャースとプレーシーズンマッチが予定されている。花巻東の先輩でもある大谷とは直接の面識はない。初対戦の前に初対面が待ち受け「1軍にいないといけないというのはあるんですけど、対戦というより、試合前のあいさつが一番、緊張するのかなと。高校の後輩なので行かないといけないですし」と同門ならではの悩みを吐露。超スーパースターだけに「あんまり時間とるのもあれですし、できるだけ早く終わらせたいなと思います」と遠慮がちだった。
一方で対戦となればスタンスはガラッと変わる。憧れの大先輩との一騎打ちは「人生で一回も経験できるかわからないところだと思いますし、投げるとなれば、結果はどうなるにしろ、裏の配球というよりはちゃんと表の配球で、真っ向勝負ができればいいなと思っています」と思い切り投げ込んでいく。
今オフは昨年11月からプエルトリコのウインターリーグに参戦し、12月中旬以降まで実戦を積んだ。昨季途中から先発転向し、プロ2年目は開幕ローテ入りに照準を合わせる。スーパークイックを封印し、フォーム改良も進める。シーズン目標は100投球回。ちょうど1年前は新人合同自主トレに参加し、六法全書を片手に慣れない新生活をスタートさせた。あれから1年がたち「そうですね、持ち込んでましたね。ちゃんと卒業できました。ぎりぎりでしたけど」。西舘が勝負のプロ2年目に挑む。【為田聡史】