もう1度、世界の舞台に。巨人戸郷翔征投手(24)が13日、宮崎・延岡市の母校・聖心ウルスラ学園で自主トレを公開。ノックやキャッチボールなどのメニューを消化し、充実の時間を過ごした。
昨年11月に出場した第3回プレミア12では、決勝戦に先発も5回7安打4失点で敗戦投手。リベンジを期すためにも「圧倒的な成績」を残すことを誓った。巨人の若きエースは実力で26年WBC出場をつかみ取る。
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戸郷が熱い思いを言葉にした。「来年春先にWBCがあるので、そこにはすごく出たい気持ちがある。日の丸の重さを昨年も感じることができましたし、あそこでやれる喜びも感じた。圧倒的な成績を残して(日本代表に)選ばれるように頑張りたい」。決意の表れか。プレミア12の時に使用した、日の丸の刺しゅうが入ったグラブを相棒に自主トレに励んだ。
日本代表に選出されたい思いは、人一倍強い。昨季は3年連続の12勝と自身初の防御率1点台をマークし、プレミア12に出場。日本のエース格として大会に臨んだが、決勝の台湾戦では5回4失点と崩れ「今思い返しても、すごく悔しい」と大会連覇を逃した責任を痛感した。次なるリベンジの機会は26年WBCとなるだけに「あれだけの大会で先発をやりたい気持ちはある」と鼻息は荒い。
24歳の若さにして、数々の大舞台を経験をしてきた。1年目から1軍デビューを果たすと、球団史上初となる高卒新人でのCS登板を記録。プロ6年間で通算55勝を積み上げてきた。23年WBCと24年プレミア12の2大会で日本代表としてもプレーし「2大会出ましたけど、いい思い出と悔しい思い出がありました」と振り返る。
もう1度、世界の舞台で投げるために。「現状維持は退化」と言い切る右腕は、さらなる進化を遂げる。「(軸足で踏み込む時の)立ち方が良ければ、おのずと体の使い方や開きが抑えられたりとか。いい効果がたくさんあると思う」と、このオフは体幹を強化し、レベルアップを図っている。
まずは巨人のために腕を振る。「昨シーズン、あと1歩届かずだったので」と、目標は沢村賞に設定した。「ジャイアンツでの日本一が一番(の目標)なので。そこを達成した後に、そういう(日本代表に選出された)報告が来たらうれしいかなと思います」。巨人の戸郷から日本の戸郷へ。勝負の1年がスタートした。【水谷京裕】
◆戸郷のプレミア12決勝 全勝優勝をかけた先発マウンドを託され、4回までは走者を出しながらも5奪三振で無失点。ところが5回に先頭の8番林家正に先制ソロを許すと、さらに1死一、二塁から3番陳傑憲に3ラン。シーズン中には1度もなかったイニング2被弾で4失点を喫した。打線も4安打に抑えられる完封リレーを喫し、戸郷が黒星を喫した。