今朝丸よ、球児ロード歩め! 阪神川藤幸三前OB会長(75)がドラフト2位の今朝丸裕喜投手(18=報徳学園)に藤川球児監督(44)のルーキー時代を重ねた。13日、鳴尾浜球場で新人合同自主トレを視察。目に留まったのは新人唯一の高卒右腕だった。
「あいつ見てたらちょうど球児の1年目を思い出すわ。あれも細かったからな。球児には『なんじゃ鉛筆の芯は』言うとったんや」
187センチ、77キロ、年上の8選手と比べると線の細さが目立つ。食事の重要性は「当たり前やないか。メシ食わんやつはどないすんじゃ!」。「なにわの春団治」は独特の言い回しでゲキ。「体だけじゃないけど、一番の基本は体やないか。そこに精神的にどれだけたくましくなっていけるか。そこまでいけば技術はあとから付いてくる」。同じ高卒から火の玉ストレートを武器に日米通算245セーブを挙げ、虎の顔となった指揮官の姿にも重なる。
体作りがプロの世界を渡り歩く土台になる。その上で実力勝負の世界だ。「高校生は3年以内にある程度のものを出してきたら(いい)。それ以上待ってくれんだろう。よっぽどのものを見せない限りな」。プロ野球の厳しさを知るからこそ川藤流の愛あるゲキだった。
今朝丸もうなずいた。「1日1日大事にしてやっていけよと言われました」。ドラフト5位の佐野とともに絶賛食トレ中。どんぶり1杯食べ、「少ないぞ」とあおられながら? おかわりしているという。「体の芯がしっかりできてきたら、息の長い選手にも近づいてくるんじゃないかなと思う。自分も(現役時代の)藤川監督のようにしっかり継続してやっていこうと思います」。1年でも長く虎の大黒柱になるべく、礎を築く。【村松万里子】