雨降って-、になるか。西武の源田壮亮内野手(31)が12日、埼玉・所沢の球団施設で自身の不倫報道について謝罪会見を行った。この日朝には妻で元乃木坂46のタレント衛藤美彩(32)とともにインスタグラムでも発信。ファンにも頭を下げて自主トレを開始した。家庭内のこととして球団も処分なし。それでもさすがにムードは重ため。打破したのは炭谷銀仁朗捕手(37)ら西武ナインだった。
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源田が不倫を認めた。騒動で信頼を失った。近年は何かとグラウンド外のトラブルが多い球団において、さわやかな源田は西武の顔でもあった。本人も“見られ方”は自覚している。
「野球選手として、人としても信頼していただいてキャプテンもやらせていただいたと思ってるので。そういった気持ちを全て裏切ってしまったと…」
報道後、西武ファンは沈痛に包まれた。なぜ源田が-。反響の大きさは当事者にも伝わっている。「これでライオンズのことが嫌いになってしまったファンの方もいるかもしれません」と声を落とした。申し訳ないです、と繰り返した。
ある若手選手は「源田さん、大丈夫ですか?」と心配した。練習もままならないのでは、の意味だ。目から光は消えていない。とはいえ明らかにやせた印象もある。ファンに頭を下げ、室内練習場で自主トレを始めた。グラブ音だけが響く中、何台ものカメラが源田を捉える。衆人環視を思わせる異様な空気だ。
「雰囲気暗いよ~!」
キャッチボールの相手をしたベテラン炭谷が静寂を破った。察したのは源田の横にいた是沢涼輔捕手(24)だ。「よっしゃー、行こう。さぁ行こう。おぉ~、いいボールだ~!!」とひたすらに口元を回す。
その後も炭谷から源田への、愛という名のイジリが大声で連射される。「このテレビ、いつ放送されるんですか?」と周囲も巻き込みながら。「やりづらくてしょうがないからね~」と豪快に笑った。
東京6大学通算3試合出場のみの是沢は、人間力の高さも買われての入団でもあった。炭谷も1度西武を離れたものの、経験と存在感の大きさを期待されて昨季から古巣に戻った。
91敗、圧倒的最下位。しかし顔が傷ついても、筋を通せば必死に守る力が西武には備わってきた。少なくともチーム内に不穏さは感じない。「時間はどれだけかかるか分かりませんけども」と源田も道の険しさを覚悟する。つばをのみ込み踏み出して、人にしっかり向き合った。【金子真仁】