「獅子のジーター」を目指す日々が本格始動した。西武ドラフト1位の斎藤大翔内野手(17=金沢)が11日、埼玉・所沢での新人合同自主トレ初日に参加。超高校級の守備力を誇る遊撃手は、40歳まで名門ヤンキースの正遊撃手を務めたデレク・ジーター氏(50)と同じ背番号「2」を託される。メジャーを代表するスーパースターの路線に乗り、歴史に名を残すショートストップを見据えた。
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斎藤が乗るレールの終着点には伝説が待つ。背番号「2」は、ヤンキース一筋20年で「ザ・キャプテン」と呼ばれたジーター氏の代名詞。現役時代は14度のオールスター選出だけでなく、チームを13度の地区優勝、5度のワールドチャンピオンに導き、黄金時代を築いた。遠投120メートルなど抜群の身体能力を持つ17歳は「すごい背番号で名誉なこと。それに応えられるようなプレーを」と、自身に込められた夢と向き合った。
プランは「レジェンド超え」だ。高卒3年目でメジャーデビューしたジーター氏が、正遊撃手の座をモノにしたのは4年目の96年。斎藤は「長期的な目標は3年目までにショートのレギュラー」とかねて理想を掲げてきた。本格始動日のキャッチボールから実戦を意識し、自主的に素早い握り替えを実行。「高校時代からずっと意識してきたので、変えないでずっとやっていこうと決めていた」と、ブレない信念も見せた。
鉄人のノウハウも注入された。10日のNPB新人選手研修会では、ジーター氏と同じ40歳まで主に遊撃として君臨した元阪神鳥谷敬氏(43=日刊スポーツ評論家)が講師で登場。目標を大きく短期、中期、長期で立てる重要性などのメッセージを受けた。プロ野球選手の平均在籍年数は7年弱。「(最終的には)40歳でショートを守ることが目標。ケガをしないことが大事」と、人一倍ならぬ、人“三倍”長く、シビアな世界で生き抜く決意を示した。
伝説への道のりも一歩から。ルーキーイヤーは「基礎練習を改めて繰り返して、力をつける1年にしたい」と幹を太くする。斎藤がレジェンドを追いかけ「獅子のジーター」となり、西武に再び黄金期をもたらす。【黒須亮】