血のにじむ努力で“シン・ナカノ”に大変身や! 阪神中野拓夢内野手(28)が11日、愛知・岡崎市民球場で自主トレを公開した。昨季は全143試合出場で打率2割3分2厘、6盗塁。選手会長2年目の今年は悔しさをバネに打率3割、30盗塁超えの自身最高到達点を狙う。
ほぼ雲がない青空の下、三菱自動車岡崎時代に慣れ親しんだグラウンドで練習。写真撮影の場所を相談する際、昨年の撮影ポイントだった坂路からの変更をカメラマンに希望した。「去年と同じ動きをしていたらダメだなと思っている。何かを変えて、いいきっかけになれば」。変身への準備はすでに始まっている。
右手の平はマメがつぶれ、皮がめくれていた。昨年11月の高知秋季キャンプから打撃改造に着手。新フォーム定着のためにも、6日からの自主トレでは打撃練習量を増やしている。昨年は質を重視し、約120球が入る箱を1、2箱ほど打ち込み。それが今年の初日は5箱分、約600球だ。「3箱以上は毎日打とうと思っている。初日からやりすぎたけど、なれていかないといけない。いいマメができている」と納得顔だ。
1年目の21年に盗塁王に輝いた脚力の向上も目指す。「スピードが落ちたところもあると思う。もっと上げていく」。今季は成功率よりも数を意識。昨季6盗塁の5倍以上、キャリアハイの21年30盗塁を超える数字が目標だ。2月春季キャンプでは走塁のスペシャリスト、赤星憲広氏が臨時コーチを務める。「『アウトになってしまったら』とマイナスなことを考えてしまっていた。思い切ってスタートを切れるメンタルの持ちようを聞きたい」と目をギラつかせた。【塚本光】
○…中野が昨年1月に結婚を発表後初の年末年始を夫人とともに過ごした。例年は地元の山形に帰省することも多かったが、今回は大阪に滞在。「普段はあまり行かない」という初詣にも訪れた。おみくじで運勢を占った結果は末吉。「めっちゃ微妙な、なんとも言えないような感じでしたけど、逆に大吉で運を使うよりは、それぐらいから上げていく方がいいのかな」と前を向いた。