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【日本ハム】新庄監督「悲しい」上沢直之への思い吐露「打ち崩す」ポスティングのルールにも疑問


日本ハムの新庄剛志監督が、ソフトバンク移籍を選んだ元日本ハムの上沢直之投手への心情を初めて明らかにした。上沢はポスティングシステムを活用してメジャー挑戦後、ソフトバンクへ移籍を決断。同監督は「悲しい」とし、日本ハムとして対戦時には「打ち崩す」と誓った。また、現行ルールでは、ポスティングでメジャー挑戦後もFA扱いとなる点に疑問を呈し、見直しの必要性を訴えた。ソフトバンクが提示した巨額のオファーを理解しつつも、上沢が日本ハムで国内FA権を取得し、再契約を目指す流れが望ましかったという。

スタッフ会議を終え、囲み取材に応じる日本ハム新庄監督(撮影・鈴木みどり)

日本ハム新庄剛志監督(52)が、ソフトバンクで日本球界に復帰する元日本ハムの上沢直之投手(30)への思いを初めて語った。8日、千葉・鎌ケ谷の球団施設でスタッフ会議に出席後、取材対応。古巣復帰を選ばなかった右腕に「悲しい」と率直な気持ちを吐露し、対戦した際は日本ハムファンのために打ち崩すと宣言した。また、ポスティングシステムを利用してメジャー挑戦後はFA扱いとなる現行ルールにも疑問を呈した。

   ◇   ◇   ◇

新庄監督の本心が、あふれ出た。1年前にポスティングシステムでのメジャー挑戦を快く送り出した上沢が、今季はソフトバンクでプレーすることを昨年12月に決断。衝撃の一報以降は初めての公の場で、偽らざる率直な思いを明かした。

新庄監督 ちょっと育て方が違ったのかな…。ああいう決断をされたのはすごい悲しいし、一緒にやりたかった。アメリカに行っている時もやりとりはしていたし、寂しさの方が強かったかなぁ…。初めて(インスタグラムのフォローを)外したんじゃないかな…ちょっと悲しさが強くて。彼が投げる時には、ファンのためにもウチは負けない。打ち崩す気持ちを持ち続けて戦いたい。

日本ハムも推定年俸1億7000万円だった23年シーズンから“現状維持”の条件で復帰オファーをしていた。ただ、それを大きく上回る4年総額10億円規模のオファーを出したのがソフトバンクだった。「彼なりに、いろいろ迷って決断したと思う」とビジネスとしては理解できる思いもあるが、現行ルールへの疑問や見直しをしてほしい思いも当然あった。

新庄監督 プロ野球自体が、その流れになってほしくない。ポスティングで(メジャーへ)行って、いい活躍ができなくて、ソフトバンクに行くっていう流れ。そこは正直、ソフトバンクが上沢君を取りに来てほしくなかった。プロ野球のために。世話になったファイターズで活躍して(上沢が国内FA権を取得するのを)もう1年待って、さあ僕たちが何十億も出して取りに行く活躍を見せてくださいっていう形がベストだったんじゃないかな。

現在はFA権を取得していなくてもポスティングで米球界へ渡れば、FA扱いとなる。ソフトバンクのオファー、上沢の決断もルール上は全く問題ないが、義理人情に厚くファンを大事にする新庄監督にとっては割り切れなかった。

それでも、前に進むしかない。思いの丈は全て吐き出した。「人生いろいろあるんで。もう終わったことは忘れましょう」。球界随一のモチベーターは何事も日本一奪還へのパワーに変えていく。【木下大輔】

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