プロの世界で、打者も手玉に取る。ロッテのドラフト4位の坂井遼投手(18=関東第一)が7日、さいたま市内の選手寮に入寮した。枕と中学時代のチームメートからもらったサングラスを持って姿を現したが、自慢の持参品はまだあった。他に持ってきたものを問われると「趣味をけん玉って言ってるので」と、いったん部屋へ。けん玉を手に、堂々と再登場した。
高校1年時、寮で遊び始めたのがきっかけだった。入寮を前に、ドン・キホーテで2000円のけん玉を購入。「プラスチックのやつか木製か2個しかなかったので、木製を選びました。(いいやつは)大皿に入った時の音がちょっと気持ちいい」とこだわりを明かすと、さっそく報道陣の前でマイけん玉を操った。小皿、大皿、中皿、けんと玉を移動させる「世界一周」、大皿の縁とけん先の間に玉を乗せる「うぐいす」の2つの技を披露。拍手が湧き起こると、思わず照れ笑いを浮かべた。
大舞台でもけん玉の経験が生きた。昨夏の甲子園では堂々とした投球で準優勝。「集中力を高めるのに役立っています。あと、膝をよく使うので、スクワットになります」と真顔で力説し「この先ルーティンに入れていけたら」と極めていくつもりだ。
年末の紅白歌合戦ではけん玉が恒例行事になり、昨年末はギネス世界記録を達成。「自分も行けたら、もう1回記録を伸ばせた」と、笑顔でけん玉枠での紅白出場も視野に入れた。「けん玉も野球も上達していければ」。プロのマウンドでも、球を自在に操ってみせる。【星夏穂】