中日井上一樹新監督(53)が鬼門甲子園攻略へナインへポジティブ思考注入を明かした。中日は昨季、3年連続最下位に沈み、特に甲子園では阪神に0勝10敗1分け。29年ぶりに敵地未勝利の屈辱を浴びた。
「チームスローガンじゃないけど、もっとポジティブに考えなさいよっていうところを植えつけていきます」。
06年8月30日阪神戦(甲子園)、2-3の9回2死走者なしで代打出場。絶対守護神藤川(現阪神監督)にカウント1-2まで追い込まれたが、スタンドからの「あと1球」コールの中で6球目を右中間スタンドに運び、歓声を悲鳴に変えた。「ホームラン打った時のあの5万人のため息が快感だった。あん時のざわつき、もうゾクゾクとしたね。守備ついた時に、フェンス際でおばさんに『おい、井上! お前、あんなとこで何打っとんねん。空気、読まんかい』って言われて。なんか逆に爪痕を残したっていう感覚になれた」。
自ら考案したチームの今季スローガンは「どらポジ」。敵地での罵声、誹謗を受けるのは、最高の結果を残したからと説いた。「爪跡残したと考えれれば、ポジティブにいける」。井上流思考で、鬼門打破への自信をのぞかせた。【伊東大介】