今年も心を動かされる阪神ナインの言葉がたくさんありました。涙あり、笑いありの1年間を「言葉の力」阪神スペシャル編で振り返ります。【阪神取材班】
◇ ◇ ◇
◆岡田監督「当然やん。巨人と阪神が野球界を盛り上げて引っ張っていく。優勝争いをする。明日は今年のプロ野球界を占うような日になると思う」(開幕前日の3月28日に。言葉通り接戦に敗れ苦しい開幕。終盤には激しいV争い)
◆佐藤輝「ここは地元だし、本当に親しみのある球場。記念の日に打てて最高です」(8月1日巨人戦。西宮出身が甲子園100周年記念試合で本塁打)
◆大竹「夏休みの公園に生えている雑草。家の近くの公園を思い出したら、どれだけ草を刈ってもすぐに生えてくるんですよ」(登板ごとに自分のキャラを設定。7月10日ヤクルト戦の先発前にはこの発言。暑さに負けない決意を表現)
◆才木「今日の晩ご飯、何食べますか?」(8月11日の広島戦で復帰登板する高橋の前日取材に乱入。白星を挙げた高橋はお立ち台で「牛カルビ丼とエビピラフと唐揚げとマーボー豆腐を食べました」とアンサー)
◆高橋「周りの方の支えやファンの人たちの声がたくさん聞こえたので。何としても応えたいとずっとやってきた。本当に夢のよう」(8月11日広島戦。1025日ぶりの白星を挙げたお立ち台で)
◆森下「いきなりバンっと教えてもらった。今までやってきたことや、クセとかもある。新たに直すのにも時間がかかる」(6月19日、岡田監督から「今のスイングじゃ絶対無理」と突然の打撃指導。困惑しながらも消化して復調)
◆ゲラ「脳に水をやらないといけないね」(6月4日、初めて2軍降格した日に岩崎に発した言葉。クールな男が精神的に参っていた様子がうかがえる)
◆木浪「喝、入れてくれたんで。逆にありがたい」(6月15日ソフトバンク戦、誕生日に死球を受けて。診断は左肩甲骨骨折。とてつもない根性を感じた)
◆熊谷「やるだけなので。そのために準備しているので」(7月17日巨人戦で代走から4季ぶりの遊撃守備につき、好捕を見せるなど仕事人ぶりを発揮)
◆前川「死球もあり、状態も良くなかったので2軍かなと思ったけど、我慢できました」(終盤に何度も死球を受けたが初のシーズン完走。打撃のようにしぶとく1軍に食らいついた)
◆野口「お母さんやったよー!」(7月7日DeNA戦でプロ初安打。お立ち台で観戦に訪れていた母和香子さんに感謝)
◆井上「長かった。もうノーステップやめた方がいいんじゃないかとか葛藤はあった」(8月29日DeNA戦で初本塁打を記録。プロ5年目の初弾に本音が)
◆石黒「いっぱいいっぱいだった。でもベンチに帰ってから見渡すとやっぱりすごいお客さんで、月もきれいでした」(7月21日広島戦、甲子園でプロ初登板。急に風流な感想)
◆大山「ファン感謝デーで多くの方々が僕の赤いタオルを広げてくれて、うれしかった。赤いタオルをもっともっと増やしたいと感じた」(10月29日、FA宣言しながら残留を決断。ファンへの感謝を語った)
◆佐藤輝「負けたヤツの特権というか。しっかり練習できるので」(10月20日、甲子園で。シーズン2位、CSも敗れて終了。長いオフに入っての一言。逆襲への強い思いが、とがった言葉のチョイスに表れた)
◆下村「いろいろな人に助言をいただいて、最後は自分で決断した。この決断を良いものだと言えるように一生懸命取り組みたい」(4月にトミー・ジョン手術。同術を受けた先輩の活躍と助言が背中を押した)
◆山田「1打席目に打てたのでホッとした。自分としてもチームとしてもすごく、いいスタートが切れた。いい日をなるべく続けられるように」(3月16日ウエスタン・リーグ広島戦で広島野村から中前に運び、注目新人が初打席初安打)
◆岩田「欲をいえばもっと見てほしかった。チャンスがほしかったというのが正直あります」(10月1日に戦力外通告を受けて。2軍戦46試合で防御率2・11だたが初1軍ならず)
◆石井「NPBに入ることがゴールだったら良くない。通過点にしてもらいたい」(ドラフト会議で異例の独立リーガー5人が大量入団。独立L出身の先輩としてメッセージ)
◆西勇「この年齢でできなかったら引退するのは当たり前」(チーム最年長。藤川監督が就任会見で「力がないベテランは必要ない」と言ったことを受けて)
◆秋山「結果を出していない時期はつらかったけど、本当に好きで野球ができていた。練習をつらいと感じたことは1度もない。投げるのが楽しかったです」(9月15日の引退会見。開始10秒で声を詰まらせた)
◆平田2軍監督「1部屋、1億円で買って、選手たちを上から見て老後を過ごしたいね」(11月、合宿所など新2軍施設を視察。豪華設備にこの一言)
◆桐敷「いつか午後の部に出たいという思いもありましたけど、こんな早くかなうとは」(最優秀中継ぎ賞を受賞したNPBアワードで。2年前にはファーム表彰の「午前の部」で出席)
◆岡田監督「野放しにしたら全然やもんな。大変やで、怒る人間がゼロやったら(ほめられる選手は)いてるわけないやん、そんなの。まだまだの選手ばっかりやん」(CSのラストゲーム後に大放談。選手への2年分の愛か、それとも)