巨人阿部慎之助監督(45)が、加入が決まった田中将に2ケタ勝利の期待を寄せた。都内ホテルでの入団会見に同席。
「2ケタを勝って、ジャイアンツのユニホームで一緒に日本一になることしか考えてません。まだまだできる、やってくれると信じている」と日米通算200勝の偉業の先にある活躍を求めた。
自らが熱望し、獲得に至った。10勝と同時に貯金もハードルに課した。「先発でやってもらう以上、10勝10敗ではどうしようもない。貯金ができるピッチャーだというのは知ってますし、そういうピッチャーになってほしい」と復活の期待を口にした後、付け足して言い直した。「そうなってもらいます」と責任を与えた。
08年北京五輪、09年、13年WBCでは侍ジャパンで共闘した。楽天との13年日本シリーズでは敵として戦った。第7戦では前夜に160球を熱投した田中将に最終回を締められ、日本一を逃した。鮮明に残る記憶を思い返した。「チームが勝つために、己を犠牲に、最後にあのように登板する。熱い気持ちを持ってるピッチャー」と田中将に抱く投手像を語った。
その勝利への熱い気持ちが、チームに浸透し、強い巨人の礎となることを期待する。「今の若い選手は足りてない。そう僕は把握してる。そういうのも(若手は)見て学んで。(田中将から)継承してもらいたい」と指揮官。今季15勝でオリオールズに移籍した菅野の穴を埋める必要もある。必要な戦力であり、最高の手本としてチームに招き入れた。【上田悠太】