巨人はソフトバンクから甲斐拓也捕手(32)をFA補強することで、これ以上ないバッテリー強化につながる。通算1023試合出場で、そのほとんどが捕手として扇の要に座っている経験値の高さは、球界屈指。巨人で出場1000試合以上の捕手は、監督の阿部慎之助までさかのぼる。4年15億円規模の大型契約を提示し、今月5日には阿部監督自ら直接交渉に出馬。背番号10の後継者として熱意を伝え実らせた。
阿部監督が掲げる「守りの野球」において、必要不可欠な存在であることを伝え続けた。同監督は「うちには絶対的な司令塔がほしい。絶対的な司令塔がいればチームにとってとてつもない安心感がある」と必要性を語っていた。経験値だけでなく、現役捕手では唯一の「8年連続100試合以上出場」を続け“働き盛り”のタイミングで獲得するメリットは大きい。
チーム内は競争激化と同時に“すみ分け”も進む。甲斐と同学年の大城卓は一塁での出場が可能。今季12球団トップの盗塁阻止率4割7分5厘をマークした岸田はさらなるレベルアップを図る。今オフも甲斐に弟子入りして自主トレを行う山瀬、ベテラン小林らが追随することで底上げにつながる。