阪神藤川球児監督(44)が15日、現役ドラフトで巨人から指名した畠世周投手(30)のリリーフでの復活を確信した。「一番欲しかった選手」と明かし、チームに不足していた右の中継ぎとしての起用を構想。来春の1軍沖縄キャンプスタートも明言し、最強ブルペン陣をさらに強固にする1ピースとして期待した。
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新たな右投手の加入を、藤川監督は心の底から歓迎した。「最初から名前が挙がった、一番欲しかった選手でしたから」。9日に行われた現役ドラフトで、阪神は巨人から畠を指名。右肘手術の影響でこの2年間は1試合登板にとどまるが、指揮官には復活を確信する理由がある。
「(最速)150キロ超えますしね。ウイニングショットも持っている。あとは、甲子園で投げている姿を想像した時に、名簿にある選手で甲子園で一番輝くだろうなと思った」。実際に投球映像を見て「うちならうまくできるんじゃないか」と思い浮かべた。
畠はこれまで甲子園で通算11試合に登板し、3勝1敗4ホールド。防御率2・18は、セ・リーグの本拠地別ではバンテリンドームの2・14に次ぐ好成績だ。先発と中継ぎの両方をこなしてきた経験も武器になる。
もう1つはチーム事情。リリーフの一角として起用する構想を明言した。「右のリリーフ投手が少ないので。そこに彼は一番マッチする。8人なり、9人なり、リリーフが必要だと思うんですけど。場所を問わずに、1年間いてもらいたいなと思っている」。
中継ぎ左腕は不動の守護神岩崎や、今季両リーグ最多70試合に登板した桐敷がいる一方で、右腕を強化したい狙いもあった。「いかに僅差で相手と戦えるかがペナントではすごく重要になる。そういう意味では非常に期待しています」。大事な接戦を制するカギとなるかもしれない。
来春の1軍キャンプ参加についても「もちろんです。戦力として、しっかり考えていますから」ときっぱり答えた。16年ドラフト2位で巨人入りし、1年目から6勝を積み重ねた右腕。秘めたポテンシャルを開花させ、最強ブルペンの1ピースにする。【磯綾乃】