<データで見る2024ペナント・西武(パ6位・49勝91敗3分)>
プロ野球の快記録や珍しい記録からシーズンを振り返る連載「データで見る24年」をスタートします。全13回で、プロ野球を球団別に12回、最終回は日本人大リーガーを記録から分析します。第1回は西武。パ・リーグ最下位の要因になった打撃面の課題を取り上げます。
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西武が歴史的貧打で最下位に沈んだ。143試合のうち55試合が5安打以下に抑えられチーム打率が2割1分2厘。2リーグ制後のチーム打率としては4番目に低く、パ・リーグでは57年大映の2割1分3厘を下回る最低打率だった。今季は投高打低といわれたが、それでもパ・リーグの平均打率は2割4分1厘あり、チーム打率5位のオリックスは2割3分8厘。2リーグ制後の打率最下位球団を見ると、西武が記録したリーグ打率と2分9厘差は3番目、ブービー球団と2分6厘差は最大。西武の低打率が際立っていた。
ポイントゲッターがいなかった。本塁打は中村剛、佐藤龍、外崎の7本、打点は外崎の41打点が最多だった。チームの本塁打王が7本以下は56年の高橋、大映、東映以来となり、チームの打点王が41打点以下は55年トンボ(黒田の37打点)58年大洋(土井の38打点)に次いで2リーグ制後3度目。2桁本塁打と50打点以上の両方がいないのは61年近鉄以来、63年ぶり。2リーグ制後は12度目だが、過去11度の内訳は50年代10度、60年代1度で、打力が向上した70年以降にこんなチームはなかった。
低打率に加え、ポイントゲッターがいない西武は合計350得点。0点が22試合、1点が41試合、2点が28試合と、2点以下が91試合(12勝76敗3分け)もあった。2点以下の試合数は56年大映と65年サンケイの87試合を上回り、1リーグ時代を含めてプロ野球史上最多。1試合平均2・45点は2リーグ制後では4番目に低く、パ・リーグでは58年近鉄の2・51点を抜く最少得点となった。3点以上の試合は37勝15敗と大きく勝ち越しているだけに、来季の課題は明白だ。【伊藤友一】