日本サッカー協会理事会が12日、都内で行われ、不在だった女子日本代表なでしこジャパンの新監督に53歳デンマーク人、ニルス・ニールセン氏の就任が承認され、発表された。デンマークやスイスの女子A代表監督を歴任。なでしこ史上初の外国人監督として27年女子W杯ブラジル大会、翌28年ロサンゼルス五輪で金メダルを狙う。同五輪を目指す男子U-23日本代表監督には、今夏パリ五輪を率いた大岩剛氏(52)が再任することが正式決定した。
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パリ五輪後、難航を極めた監督人事が決着した。史上初の外国人。13年から女子一筋で母国デンマークを17年まで率い、翌18年から22年までスイスも指揮したニールセン氏に、白羽の矢が立った。協会を通じ「非常に光栄で誇り。高い技術を備え、才能にあふれた日本代表選手たちと活動できることを大変うれしく思う」とのコメントを寄せた。
佐々木則夫女子委員長を中心に、宮本恒靖会長らが人選を進めた。基準は、女子の指導経験があること。外国人、主導権を握るスタイルを志向することも重視した。協会は約4カ月かけて十数人の候補者とオンラインで接触し、最終候補を3人に選抜。佐々木委員長が先週末に極秘渡欧し、ニールセン氏との直接面談を実施して就任を要請した。
縁もあった。佐々木氏が監督だった13~15年、ニールセン氏のデンマークと3度対戦。好印象を肌で感じていたという。また、前職がMF長谷川唯らが所属するマンチェスターCの強化責任者だったこともあり、日本人への理解も深い。「新たな刺激とアイデアを、新しい目線をもってチームに注入し、協力してタイトルを獲得したい」。家庭の事情等でW杯と五輪の采配経験はないが、欧州選手権2位(17年)などの実績が決め手になった。停滞感から脱却へ、初の外国人指揮官とともに、新生なでしこの旅が始まる。【佐藤成】