マリナーズが、ロッテからポスティングシステムでメジャーリーグ移籍を目指す佐々木朗希投手(23)の獲得交渉で、球団の会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏(51)に参加を要請する見込みだと10日(日本時間11日)、地元紙シアトル・タイムズ電子版が伝えた。佐々木の代理人ジョエル・ウルフ氏は会見し、小、中規模市場のチームが佐々木に有益かもしれないと発言。シアトルのレジェンド打者が、大物を獲得の決め手となるか。
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世界最高のヒットマンが、令和の怪物を射止めるか。同紙は「球団は佐々木を獲得するための本格的な交渉を予定しており、その中には日本の象徴でマリナーズのレジェンドでもあり、現在殿堂入りの候補に入っているイチローも含まれている」と伝えた。
ディポト編成本部長はこの日、米テキサス州ダラスで開催されているウインターミーティング(WM)で、佐々木の獲得は「優先事項」と位置付けた。何年も調査を続けてきたとし「彼が正式にポスティングされたとき、我々は既に心構えができていた」と準備に長い時間をかけてきた。壮大な計画の肝が、イチロー氏出馬だった。
WMでは佐々木の代理人ウルフ氏が、移籍先の都市の規模について言及した。MLB公式サイトによると「彼がメディア関連であまり良い経験をしていないことを考えれば、小規模か中規模の市場の方が、日本から来る彼にとって有益なソフトランディング(着地点)になるかもしれないという議論もある」。マスコミが多く、厳しい論調にさらされるニューヨークやロサンゼルスのような大都市ではなく、シアトルなど小規模都市の球団にも獲得チャンスが広がる。
ウルフ氏は既に20球団以上が接触していると明かし、他の判断材料も挙げた。「彼は天候や快適さ、投手育成について質問してきた。メジャーに移籍してきた日本人選手の大リーグでの様子も見ている」。チーム成績、23年WBC日本代表でのチームメートの動向もチェック。25歳ルールでマイナー契約となるだけに、契約金の多寡は「私の助言は長期的なキャリアがお金を得る場所。短期的な決断は勧めない」と不問とし、地理的条件も「今はほとんどの主要都市に日本から直行便がある」と西海岸有利説を否定した。
来週にも開始する各球団との面談には、マ軍以外も日本人を同席させる可能性はある。WBCの同僚で尊敬するダルビッシュ有が在籍するパドレスには「彼が真剣に検討する球団になるだろうが、2人の関係が決断にどれだけ影響するかは分からない」とウルフ氏。佐々木はクリスマス前に日本に戻り、球団を絞り、年明けに再渡米予定となっている。