ロッテからポスティングシステムで米大リーグ移籍を目指す佐々木朗希投手(23)について、全30球団による大争奪戦が幕を開けた。ロッテが10日、ポスティング申請がMLBに受理されたと発表。米10日(日本時間11日)から東部時間1月23日午後5時(同24日午前7時)まで45日間が交渉期間となる。MLBは9日(同10日)からテキサス州ダラスで、球団幹部や代理人らが一堂に会するウインターミーティングを開幕。佐々木はすでに米国入り。同HPで海外有望株ランキング1位に挙げられるなど、現地での注目度はさらに上昇してきた。
日本が誇る令和の怪物獲得に、最も自信を見せたのはパドレスのシルト監督だ。「我々球団はササキ争奪戦で非常にいい位置につけていると思う。最終的には彼がパドレになることを願っている」。日本人が多く、なじみやすい環境をアピールし「ダルビッシュや(松井)裕樹をチームに迎え入れている。球団内には野茂も所属している。彼は日本で尊敬されている」。23年WBCでの同僚に加え、レジェンド右腕の存在もプラス材料とした。交渉に当たるA・J・プレラーGMは、サンディエゴの地元ラジオ局「97・3ザ・ファン」で「世界トップの才能を持つ投手で17、18歳から調査してきた。しっかり準備している」。同GMは大谷獲得を目指した際に勉強し、日本語が話せるという。
マリナーズのジェリー・ディポト編成本部長は「先発ローテはリーグでもベストの1つ。必要なら6人ローテにすることもできる。投球プログラムやコーチ陣は優れている」と受け入れ体制をアピールした。オリオールズのマイク・エライアスGMは佐々木の名前こそ出さなかったが「投手育成プログラムも優れているし、けが防止のための優れたハイテク機器もそろっている」と利点を語った。
佐々木は25歳以下のためマイナー契約しか結べず、低予算チームを含めて獲得の可能性がある。海外FA選手の契約金総額は、毎年各球団に割り当てられている。今年の割り当て分の残りで獲得するより、来年1月15日に新たな期間が始まってからの方が契約金が高くなるとみられ、佐々木は渡米しているが、米国では入団交渉成立は1月後半になるのではという見解だ。