元ソフトバンク育成の早真之介さん(22)がこのほど、生まれ育った地元の滋賀県警察の採用試験に合格した。京都国際から入団して3年目の昨オフに戦力外に。12球団合同トライアウトでは、左ふくらはぎに打球が直撃するアクシデントに見舞われた。「全てを切り替えたい」と21歳で現役引退を決断。野球選手に区切りをつけ、第2の人生に警察官の道を選んだ。
バットやグラブ、白球をシャープペンシルに持ち替え、昨年の12月から1日4~6時間机に向かった。同時に2次試験の体力テストに備えて、ジムでトレーニングをしたり、家の周りを走ったりした。吉報は12月5日に届いた。「合格発表までの間は不安でいっぱいでした。それだけに、結果を知った瞬間はすごくうれしかったです。この結果は決して自分1人の力で得られたものではありません。支えてくださった周りの方々のおかげでつかみ取れたものです。本当に感謝の気持ちでいっぱいです」。
京都国際から20年育成ドラフト4位でソフトバンクに入団し、3年間は3軍を中心に試合に出場。野球人生のそれぞれの恩師には合格を報告した。京都国際の小牧憲継監督(41)に「そうか! 頑張れよ」と言われ、普段から相談を重ねていたソフトバンクの城所龍磨コーチ(39)には「よかったな!」と祝福された。
今夏には母校が甲子園で初優勝を飾った。勉強の傍ら、高校の同期たちと三塁側アルプス席でその喜びに浸った。来春には警察学校に入学。「全国制覇を成し遂げた後輩たちのように、活躍できるように頑張りたいです!」。次なる紺色のジャケットをユニホームに、地元で輝く。【中島麗】