<明治安田J1:神戸3-0湘南>◇第38節◇8日◇ノエスタ
ヴィッセル神戸が湘南ベルマーレを3-0で下し、Jリーグ史上6チーム目となるリーグ連覇を決めた。
前半26分にFW宮代大聖(24)が押し込んで先制し、同43分にはMF武藤嘉紀(32)が追加点。後半25分にはMF扇原貴宏(33)がミドルを決めて試合を決定付けた。優勝の可能性があった広島、町田の結果を気にする必要のない完勝で、昨季のリーグ初優勝、天皇杯に続くタイトルを手にした。
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吉田監督が、またも神戸をJの頂点に導いた。
神戸はこの日も立ち上がりから神戸らしいハードな戦いを展開。優勢に進めるまま、得点を重ねる力強い戦いで優勝をつかみとった。連覇を果たした吉田監督は「俺らが1番! 俺らが強かった! 選手が90分間、前へ前へプレーしてくれた。これが僕のサッカーだし、ヴィッセルのサッカー。これをやれば勝てる。それを選手たちが体現してくれた」とほえた。
今季は順位を落とすこともあったが、8月からの6連勝で再浮上。指揮官の信念が順位を押し上げた。
吉田監督は攻守ともにエリアごとで約束事を設定することで、戦術を明確化した。「山川やトゥーレルがブロックしているのは、そこにいるのがルールだから」。「選手が同じ画を描けるように」と十数パターンのキーワードを使って戦術を説明し、浸透させてきた。選手起用は求める基準に達しているかどうか。「ズレをなくすことを理解できない選手は僕のサッカーはできないし、運動量的に難しい選手も出ることはできない」。厳しくも明確な基準は、FW大迫が「タカさんに外されるなら納得できる」と話すまでの求心力につながった。
選手に体現させるために、自身も研さんを積んだ。以前は自分のメールアドレスを持たず家族のアドレスを利用するなど、PCに疎かった。PC講演も多かったアンバサダー時代。独学でプレゼン資料作成の術を身に付け、今では休みにもカフェで映像編集を続けるまでに。「僕らの基準でJリーグを変えてやると思ってやってきた。クラブが何を言おうと僕は僕のサッカーで勝つ」。全てはピッチで結果を出すためだった。
リーグ連覇監督は、日本人で5人目。監督交代が多かった神戸では99~02年の川勝監督に並ぶ最長政権となる来季も、指揮官が先頭に立ってチームを高みに連れて行く。【永田淳】