中大魂で「サヨナラ翔ちゃん」になる! 阪神森下翔太外野手(24)が8日、静岡・熱海市内で巨人阿部監督が22年に企画した中大硬式野球部OB・OGによるゴルフコンペに初参加した。今季の巨人戦では得点圏で対セ・リーグ5球団トップの打率5割、12打点、同最多タイの2本塁打を記録し、敵将に勝負強さを見せつけた。阿部監督は現役時代に「サヨナラ慎ちゃん」とも称されるほどサヨナラ打を放ち続けた。大先輩の背中を追い、勝負強く虎を王座奪回に導く。
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森下はなごやかな雰囲気の中、恩師の中大・清水監督らと同組でラウンドした。2学年上で先月までプレミア12で共闘したDeNA牧も参加。昨年と今年の日本一に貢献した両者でスコアを競い合った結果、軍配はDeNAキャプテンに上がった。今オフ2度目のゴルフでは敗北したが、本番になれば話は別だ。虎の若きスラッガーは3年目の来季、母校の伝統をますます継承するつもりだ。
「勝負強いバッターがたくさんいることが中央(大学)のいいところだと思う。自分が引き継げたらすごくいい」
今コンペの企画者でもある巨人阿部監督は現役時代、8度の優勝を経験。7本のサヨナラ本塁打を含む球団歴代3位のサヨナラ打13本を放ち「サヨナラ慎ちゃん」とも称された。森下も「偉大な方」と尊敬する大先輩からこの日は激励の言葉もかけられ、モチベーションは高まるばかりだ。
もちろん、大先輩は宿敵の指揮官でもある。今季の対戦では得点圏打率5割と勝負強さを発揮した相手だ。「ジャイアンツからなかなか点が取れない中、より集中力も上がったり、ファンの人たちも盛り上がっていたりするので、いい結果が生まれている」。自身も「サヨナラ翔ちゃん」と呼ばれるほど勝負を決める一打を放ち続ければ、V奪回に近づくのは間違いない。
プレミア12で勝ち越し満塁弾を放つなど、こちらも勝負強さを印象づけた牧は3年目の昨季、打点王と最多安打のタイトルを初獲得した。「自分みたいにファームに落ちたり前半戦が悪かったり、ということがないのが牧さんの良さ」と分析。自身はプレミア12の侍ジャパンで4番を任されたが、1年目から重視していた3年目の来季へ「レギュラーと思わず、また新しい気持ちで臨みたい」と気を引き締めた。
首位打者も目指し「打率を残すこと」に注力する。「率が残せるようになるにはコンタクト率。そこにつなげるにはセンターラインの強い打球」と逆算する。昨季は日本シリーズで歴代新人最多7打点、今季はリーグ3位の得点圏打率3割5分1厘。代名詞とも表現できる勝負強さにますます磨きをかける。【塚本光】
◆森下のサヨナラ打 プロ通算3度。初は23年5月20日広島戦で9回2死一、二塁、広島森下から左前にはじき返した。阪神新人のサヨナラ安打は、島田が18年10月6日DeNA戦で記録して以来5年ぶり、2リーグ分立後9人目。阪神の選手が同姓の投手からサヨナラ打を放ったのは2リーグ制後初だった。同年7月12日DeNA戦では8回に同点2ランを放った後、9回にサヨナラ犠飛を打ち上げ試合を決めた。今季は7月28日中日戦で、延長11回1死二塁から左前適時打を放った。