<UEFA(欧州)リーグ:Rソシエダード2-0アヤックス>◇28日◇1次リーグ第5節◇レアレ・アレーナ
【サンセバスチャン=高橋智行通信員】Rソシエダードの日本代表MF久保建英(23)がホームでスタンディングオーベションを受けた。名門アヤックス(オランダ)を相手に1ゴール1アシストと全2得点に絡み、2-0で勝利した。
先発出場した久保はいつもにも増して鋭かった。定位置の右ウイングでプレー。立ち上がりから相手DF陣と対峙し、守備では積極的にプレスをかけていく。さらに好機の起点となるスルーパスに、敵陣ボールカットからカットインしてのシュート。相手は久保を止めるすべをもっていなかった。
0-0で迎えた後半22分、待望の瞬間が訪れる。久保はアランブルにパスを出した後、リターンを受けて右サイドの深い位置から左足で正確なクロスをゴール前に送り、バレネチェアの先制点をお膳立てした。これは久保にとって今季の公式戦初アシストとなった。
さらに久保は40分、右サイドから斜めにスピードに乗ったドリブルを仕掛けてペナルティーエリアに侵入し、4人に囲まれながらシュートを放ち、相手にかすめながらRソシエダード加入後初となる欧州リーグでのゴールを記録。また、これにより久保は今季の公式戦の得点数を4に伸ばした。
その後、後半42分にお役御免とばかりにセルヒオ・ゴメスと交代。3万2786人が入ったスタンドを揺らした男は、スタンディングオーベーションを受けながらピッチを後にした。
鮮やかなゴールシーンを問われた久保はこう振り返った。
「ボールを受けた瞬間は後ろに戻そうかと思ったんですけど、監督が前に行けと言っていたので。じゃあ最後だし行ってみようかなと思って。そこからはもうイメージ通りでしたね。ちょっと縦行くふりして中入って。そこからはシュートを打とうと決めていたんで。オヤルサバル選手がいい感じの動きしてくれたんで、ちょっと前が空いたんで打って。あとは入ってよかったですね」
ドリブルで仕掛けながら、その道筋ははっきりと見えていた。
「そうですね。中に入りたいなと思ってたんで、一瞬縦行くふりして。で、サイドバックがちょっと後ろに重心かかったのを見計らって、ギアを上げたって感じですかね。かすってなくてもあそこに行ってる予定だったんで。結局かすってもっといい形になりましたけど、見えてたんでよかったと思います」
まるでメッシをほうふつさせるような個人技満載の神業ゴール。16試合無敗と絶好調だったアヤックスを1人できりきり舞いさせ、チームに勝ち点3をもたらした。この結果により、欧州リーグ・1次リーグ成績を5試合2勝1分け2敗の勝ち点7とし、16位に浮上した。