<ACLE:横浜2ー0浦項(韓国)>◇27日◇東地区1次リーグ第5戦◇日産ス
横浜F・マリノスがホームで浦項(韓国)を2-0で下した。前半41分にFWヤン・マテウスのゴールで先制し、後半50分にFWアンデルソン・ロペスが追加点。最後にPK献上したがGK飯倉大樹がセーブし、完封勝利を収めた。通算成績は3勝1分け1敗で12チーム中3位に浮上、16強進出へまた1歩前進した。11月に入り公式戦4連勝とマリノスの勢いは加速している。
◇ ◇ ◇
ボール支配率は一時70%を超えた。横浜が立ち上がりから圧力をかけ、攻め立てた。相手陣内に押し込み、シュートを次々と放つ。ゴールを割れない時間が続いたが、焦らずにやるべきことを淡々と繰り返した。
待望の瞬間は前半41分、敵陣ゴール前でのボールカットからAロペス、ヤンマテウスとつないで先制点が生まれた。そして後半追加タイムの50分、相手のファウルで得たPKをAロペスが決めた。ハッチンソン暫定監督は「引いて守られ難しい試合だったが、どうやったら突破できるか、みんなが考えてプレーしてくれた」と満足そうに話した。
今季の公式戦59試合目。J1リーグ、天皇杯、ルヴァン杯、そして遠征が海外遠征が伴うACLが並行して行われた9、10月は15連戦をこなした。天皇杯準決勝でG大阪を相手に延長戦まで120分間を戦った後、中2日でリーグ戦に臨んだ。「過密日程は強いチームの証し」。選手たちは自らに言い聞かせて戦った。
天皇杯に敗れ今季の無冠が決まった。過密日程から解放された11月は、付き物が取れたように白星を重ねる。中10日で迎えた浦項戦。指揮官は「今シーズン初めてくらいの時間をもらえたので、競争力が上がるような練習ができた」。言葉通り躍動感を取り戻した。
とかくAロペス、ヤンマテウス、エウベルのブラジル人3トップが注目されるが、先制点の起点となったDF松原、ボール回収を続けるMF小池、テンポ良くパスを散らすMF山根、堅守のベテラン飯倉ら「エッセンシャルワーカー」の献身的な姿は見逃せない。
前回は決勝で涙をのんだ。アジアの頂点を目指す戦いはシーズンをまたいで続く。気負わず、おごらず、そして淡々と、マリノスは歩を進める。【佐藤隆志】