阪神近本光司外野手(29)が25日、外野手部門で4年連続4度目のセ・リーグベストナインに選出された。阪神で4年連続の受賞は掛布雅之以来45年ぶり5人目、外野手では金本知憲の3年連続を抜いて最長の快挙となった。レジェンドに並び、レジェンドを超える偉業で盗塁王、ゴールデングラブ賞に続く今季“3冠”をゲット。来季は田淵幸一以49年ぶりの5年連続で、藤川阪神のV奪回に全力を尽くす。
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この時期の風物詩になった囲み取材に臨むと、近本は落ち着いた口調で話した。セの外野手部門で4年連続4度目のベストナイン獲得。数字だけでは測れない、記者投票によって決まる表彰に感慨を込めた。
「見えないプレーだったり、数字ではないところも評価してもらっていると思う。他のタイトルとはまた違う賞なのかなと思っています」
球団で4年連続の受賞は藤村富美男、吉田義男、田淵幸一、掛布雅之の4人しかいない栄誉。45年ぶりに歴史の扉をこじ開けた。しかも外野手部門では金本知憲の3年を抜き、球団史上初の快挙となった。名だたるレジェンドたちに肩を並べ、タテジマ歴代外野手のトップに立った。
日本一に輝いた昨季は大山、木浪とともに選出。9人中3人を虎戦士がジャックした。一方、今季はリーグ優勝の巨人が3ポジションを占有。それでも近本の安定感は変わらず、阪神勢のトリデを守った。
今季は19盗塁でセ・リーグ盗塁王を獲得。ゴールデングラブ賞も獲得し、早くも“3冠”を確定させた。バットでもチームの規定到達者トップの打率2割8分5厘をマーク。シーズン中には4番も務めるなど、打線の柱としてV戦線をけん引した。今季も走攻守で今季も存在感を発揮。そのバックボーンに、鉄人ぶりは欠かせない。
「自分の中ではケガなく試合に出ているのがひとつよかったところ。6年間ケガなく、大きな離脱なく来られているので」
毎年、年間ほぼフル1軍でフル出場。主に1番を打ち、外野の要を任されるレギュラーとして価値ある奮闘が続く。そして来季、国内FA権を取得するところまで実績を積み重ねてきた。
「(来年も)ケガなく試合に出続けることと、そこで結果をしっかり出すのが自分のできること。毎年自分の結果を出せれば」
藤川阪神の主力として来季も結果を追い求める。その先に、田淵幸一以来49年ぶりの「5年連続」が待っている。【波部俊之介】
▼阪神の外野手で4年連続ベストナインは近本が初。過去最長は3年で、田宮謙次郎(56~58年)と金本知憲(04~06年)。すべての守備位置での阪神最長は6年連続で三塁手の藤村富美男(47~52年)遊撃手の吉田義男(55~60年)。これに続くのが捕手の田淵幸一5年(72~76年)。外野手のベストナイン4度は金本知憲(04~06、08年)マートン(10、11、13、14年)と並び球団最多。
▼球界全体で外野手のベストナイン連続受賞最長は、張本勲(日本ハム)の11年(60~70年)。全ポジションでは一塁手の王貞治(巨人)18年(62~79年)。