今季8試合の登板で1勝に終わった日本ハム鈴木健矢投手(26)が、来季の巻き返しへ“高速サブマリン”化を目指す。日本シリーズでソフトバンク打線を抑え込んだ同じ下手投げのDeNA中川颯を参考に、球速アップを決意。今オフはキャッチボールをあえて横手投げで行うなど、出力アップに取り組んでいる。
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鈴木は今年の日本シリーズを見て、進むべき方向性を確信した。くぎ付けになったのは、日本一に輝いたDeNAの下手投げ右腕、中川颯の投球。3試合に登板して計9人の打者を相手に無安打。特に山川との対戦では2奪三振と緩急で手玉に取っていた。「130キロ台中盤を投げて、ソフトバンク打線を差し込んでいた。やっぱり球速がある程度あった中での緩急だなと勉強になった」。自身の直球は130キロ前後。来季の巻き返しに必要なのは“高速サブマリン”化だとあらためて実感した。
球速アップへ、今オフは意図的に横手投げでもキャッチボールを行っている。「もう1回、出力を上げるために、今はちょっとサイドスローでも投げています」。横手から思いきり1球を投げた後に、いつも通りの下手投げで3球ほど投げるルーティンを繰り返している。
狙いは体に最大出力を出していた感覚を呼び起こすことだ。22年春に投球フォームを変更する前は横手投げで145キロ前後を計測していた。下手投げでのキャッチボールの中に当時の投げ方を交えることで「下手投げでも(出力が上がって)135キロぐらいまで上がれば」と見据える。
昨年のシーズン中も球速が落ちた際に同様の取り組みを行っていた。一時的にスピードを取り戻したこともあったが、今季は「もうそれどころじゃなかったので」。2軍で結果を出しても1軍に呼ばれない日々に焦りや悔しさも味わった。「不完全燃焼だった」1年を終えて、原点回帰の球速アップ法に再着手。「来年はしっかり1年、戦えるようにしたい」と誓った。
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