台湾からロマンたっぷりの“金の卵”がやってきた。ソフトバンクに育成選手として加入した19歳右腕、張峻瑋(チャン・ジュンウェイ)投手が17日、福岡市内で入団会見を行った。契約金1億円、年俸400万円。背番号153のホークスのユニホームに袖を通し、「2年以内に1軍デビューしたい。結果を出して、信頼される選手になりたい」と意気込みを明かした。
最速157キロ直球を誇る剛腕は、台湾で「火球男」の異名を取る。変化球もスライダー、チェンジアップ、カーブなど多彩。今年9月に中国で開催されたU23W杯で6回2/3を投げ12三振を奪い、昨年9月に台湾で開催されたU18W杯では準優勝に貢献した。代表実績も豊富な右腕が目指す投手像はあのメジャーリーガーだった。「一番は山本由伸選手です。真っすぐもそうですけど、変化球とかすべてが一級品。そこを目指したいと思います」と目を輝かせた。
生まれ育った故郷を離れての単身生活に、「言葉が一番不安です」と率直な心境も明かした。それでも、日本でのプレーを決断した理由に強い憧れがあった。「(野球の)レベルが高い。細かいところもしっかりしていて勉強になる。日本に昔から行きたい目標もあった」。今年3月には巨人が台北ドームで行った親善試合を観戦。対戦してみたい打者には坂本勇人を挙げ「小さい頃から見ていた。勝負強いイメージがある」と胸を躍らせた。
会見に同席した三笠取締役GMは「素晴らしい真っすぐと、気持ちのこもった投球が持ち味。まずは環境に慣れていただいて、徐々にチームに貢献してもらいたい」と大きな期待を込めた。目指す2年以内の支配下へまずは筑後の2軍施設で鍛錬に励む。“火球男”が鷹投の大投手に成長していくサクセスストーリーに注目だ。【佐藤究】