輝、いいね! 阪神藤川球児監督(44)が14日、佐藤輝明内野手(25)の打力アップに太鼓判を押した。高知秋季キャンプ最終クール2日目のランチ特打で、主砲は47スイングのうち柵越え16本と快音を連発。見守った指揮官は直接声をかけ、自ら感じた手応えを伝えた。プロ最少の16本塁打に終わった今季からの大幅増へ、キャンプ打ち上げまでまだまだ指揮官をうならせる。
◇ ◇ ◇
大きな体の背番号8がファンだけでなく、指揮官からも熱い視線を浴びた。佐藤輝が飛ばした打球が次々にフェンスを越えていく。9スイング目にバックスクリーン越えを見せれば、3連発も披露して、ランチタイムに集まった観客を笑顔にした。
「感覚は良かったかなと思います」と手応えをにじませた本人の真後ろ。打撃ケージ裏から仁王立ちで見守った藤川監督も思わずうなずいた。「いい感じじゃないか」。取り組みが実りつつある姿を見て、直接そう声をかけた。
プロ4年目で迎えた秋季キャンプは進化の毎日だ。新任の小谷野打撃チーフコーチのもと「最大出力アップ」を意識しながら、すり足のような新フォーム、広角打法と試行錯誤。着実にレベルアップしている様子に太鼓判を押した。
藤川監督 彼が進んでいく方向は理解はしています。本人の感覚で、毎日うまくなっていってるとしたら、いいんじゃないですか。
さらに今季両リーグ最多の23失策で、課題として取り組む守備についても変化を実感。「ノックを受けてもスローイングも安定しているし、よくコーチがやってくれているなというのと、取り組んでいることが少しずつ」と成果を感じ取った。
佐藤輝自身も「いい練習ができているんじゃないかと思います。バッティングでも守備でも走塁でも良くなったと思います」と充実感たっぷり。プロ最少の16本塁打に終わった今季からの大幅増へ、実りの秋を過ごしたようだ。
来季だけでなく虎の主砲として長く活躍するため、藤川監督はさらなるアドバイスを送った。「今いいから来年良くてじゃなくて、ずっとこれを繰り返す。それは現役が終わるまでやり続けないといけない。それがプロ野球選手ですからね」。パワーアップし続けて、ファンも指揮官も喜ばせる。【磯綾乃】