<ラグザス presents 第3回プレミア12:侍ジャパン9-3オーストラリア>◇13日◇バンテリンドーム
侍ジャパンの4番、阪神森下翔太外野手(24)が猛打賞の大活躍で9得点の大勝発進に貢献した。「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」のBグループが開幕。日本の初戦、オーストラリア戦に「4番右翼」で出場した森下は、チャンスメークやダメ押し二塁打など3安打2打点3得点で打線を引っ張った。阪神の生え抜き選手が主要国際3大会(WBC、五輪、プレミア12)の4番を任されたのは初めてで、目指す世界一へ会心のデビュー戦となった。
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つないでかえして、日本の4番らしく森下が白星発進に貢献した。
10日の強化試合チェコ戦で4番に入ってから2試合続けての「4番右翼」で先発。3安打2打点3得点とダイヤモンドを駆け回った。
主要3大会(WBC、五輪、プレミア12)では初の4番。開幕を翌日に控えた前日12日に「重圧はない」と話していた通り、1打席目から冷静だった。1点を先制した直後の1回1死一塁で打席が回った。初球に一走の小園が盗塁し、得点圏に進んだが、カウント3-1からボール球を見極めて四球。得点にはつながらなかったが、フォア・ザ・チームの姿勢を崩さなかった。
2-0の3回には遊撃強襲の内野安打で「4番初安打」を放つと、三塁まで進み暴投で本塁生還。さらに、2点差に詰め寄られていた7回には先頭で三塁線を破り、激走で二塁を陥れてチャンスメーク。1死三塁から中大の先輩、牧の中前打でリードを3点に広げるホームを踏んだ。6-3の8回には2死一、三塁から左中間へ二塁打を放ち、2者を迎え入れた。「4番初適時打」もマークして、初戦から打線をけん引した。
自身はプロ2年間で公式戦1度しか座らなかった4番。強化試合で国際大会の4番は“予習済み”だった。大会前には「打順は打順、背番号は背番号みたいな。深い意味を持ってプレーはしていない。変わらずやりたいなと思います」と強調していた通りの働きだった。
主要3大会で阪神選手の先発4番は、08年北京五輪での新井貴浩以来。生え抜き選手では初めてとなる日本代表の4番。「日本の4番なので。しっかり自覚、責任を持ってプレーしたい」と「JAPAN」を背負って挑む初戦から存在感を大きくした。大会連覇へ、幸先良いスタートの中心に森下がいた。【林亮佑】
▼主要国際3大会(WBC、五輪、プレミア12)での阪神打者の猛打賞は、新井貴浩が08年北京五輪予選リーグ韓国戦で3安打して以来。新井はこの試合4番一塁でフル出場し、6回には1号2ランも放った。