<スペインリーグ:Rソシエダード1-0バルセロナ>◇10日◇第13節◇レアレ・アレーナ
日本代表のアタッカー陣が躍動した。スペイン1部レアル・ソシエダードMF久保建英(23)は10日(日本時間11日)、ホームでの強豪バルセロナ戦にフル出場。攻守に渡る圧倒的なパフォーマンスで1-0の勝利に貢献し、今季3度目のマッチMVPに輝いた。フランス1部スタッド・ランスFW中村敬斗(24)とFW伊東純也(31)は、同日アウェーのルアーブル戦でそろってゴールを決め、3-0と快勝した。W杯アジア最終予選のインドネシア(15日)、中国(19日)とのアウェー2連戦に向け、はずみをつけた。
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鋭くも強い。久保が圧倒的な存在感を見せつけた。相手は公式戦7連勝中のバルセロナ。欧州CLでも強さを発揮し、今季前半戦ではリバプールとの2強とももてはやされるチーム。その世界に名だたる名門を引き立て役にしてみせた。
前半30分、得意の右からのカットインで2人をかわし強烈なシュートを放った。GK正面でゴールとはならなかった。前半終了間際、後半開始早々とカウンターから絶妙なパスを通してビッグチャンスを2度演出。さらに後半28分にはCKからのボールをファーサイドで待ち構え、ダイレクトシュート。相手のブロックに阻まれたが、切れ味鋭いプレーは止まらなかった。
攻撃だけではない。守備でも目立った。前線からボールを追い、果敢なプレスバックで相手チャンスの芽を摘んだ。敵陣ゴール前から自陣ゴール前まで幅広くカバー。最初から最後まで足が止まらない。底無しのスタミナも披露し、球際でも負けなかった。まさに現代サッカーの申し子とも言うべき、攻守に渡る圧倒的なパフォーマスが光った。
久保は「攻撃だけではなく守備でもこのユニホームを着てプレーした中で最高の試合の1つ」と胸を張った。前節セビリア戦に続く2戦連続得点こそならなかったが、ゴールがなくてもMVPを獲得したことに価値がある。「フィジカル要素が強くなってきた現代サッカーで、フィジカルの部分でもバルサに負けなかったというのは自信になる」。局面でタフに戦い抜き、鋭くゴールへ向かう。自らが真骨頂とするプレーに磨きがかかった。日本代表に直結する成果を得た。