<スペインリーグ:Rソシエダード1-0バルセロナ>◇10日◇第13節◇レアレ・アレーナ
【サンセバスチャン(スペイン)=高橋智行通信員】レアル・ソシエダードが、ホームで首位のバルセロナを倒し、8位に浮上した。フル出場した日本代表MF久保建英(23)がマッチMVPに輝く活躍を見せ、1-0という最少得点で競り勝った。
今季は開幕から調子が上がらずリーグ戦11位と低迷し、さらにホームではわずか1勝のみと大苦戦していた中での試合だった。
バルセロナ戦とあってチケットは完売。試合前に大雨が降り出し、スリッピーなピッチコンディションだった。過去にRソシエダードからビルバオへの“禁断の移籍”を果たしたバルセロナDFイニゴ・マルティネスに対して、ボールを触るたびに古巣のサポーターから激しいブーイングも飛んだ。
さまざまな観点から加熱した一戦。そんな中で前半34分にベッカーの先制点が飛び出すと、スタンドのサポーターは波打つように飛び跳ねて歓喜した。まさにお祭り状態となった。スタンドの熱気がピッチの選手たちに伝わったことは間違いなく、魂のこもったプレーでまさに勝利をもぎとった。
大きな勝利にイマノル・アルグアシル監督も試合後はご満悦。会見では言葉が弾んだ。
「最後だけでなく試合を通じて大いに興奮した。自分たちの戦い方を大いに楽しんだよ。今日はたとえ引き分けや敗北を喫したとしても、私は同じように誇りを感じ、穏やかな気持ちで満足して帰ることができただろう。選手やサポーターは今日のような夜を過ごすのに値しているので、もちろん勝ちたかった。我々が最高のスタートを切れなかったことは分かっているが、今日はサポーターも選手も、みんなが幸せな気分で帰ることができるはずだ」
勝った相手が好調のバルセロナというのも大きい。
「バルセロナは今、リバプールと並びヨーロッパで最も好調なチームなので、この勝利には大きな価値があるし、今日は本当に素晴らしかった。良いスタートを切れなかったこと、ホームで勝つのに苦労していたことを分かっていたので、我々には時に大いに興奮し、幸せを感じ、楽しむような夜が必要だった」と続けた。
そして試合内容についても、狙い通りの展開に持ち込めたと胸を張った。
「チャンピオンズリーグのトップクラスのような素晴らしい試合だった。我々は限界までプレーしなければならなかったし、あのバルセロナにゴールチャンスを作らせないためには、非常にアグレッシブに、強く、勇敢になる必要があった。我々は今日それができたと思うし、多分それが彼らに決定機をほとんど作らせなかった秘訣(ひけつ)だろう」
チーム一丸となり、バルセロナの攻撃を封じ込めての勝ち点3。「ラレアル」を愛する人々にとって最高の夜となった。