<阪神紅白戦>◇9日◇高知・安芸
「初」づくしとなった阪神ジーン・アルナエス内野手(22)はドジャース大谷を参考にする。
紅組の9番指名打者として来日初実戦となる紅白戦にスタメン出場。2回に1死一、三塁といきなりチャンスで初打席に立つと初スイングで白組津田の外角直球を捉え中前適時打を放った。初安打、初適時打、初打点となる一打に「本当にうれしい。いいスタートを切れた」。日本人選手で参考にするのは大谷だ。「ボールを選ぶ時とか、打席の中で何を狙うとか、考え方などをまねしている」。パナマ出身22歳も異国の地で活躍する。
○…高知出身の栄枝が地元で打撃をアピールした。6回1死二、三塁から佐藤蓮のカーブを右中間に運び2点適時三塁打を放った。家族も観戦する中で活躍し「いいヒットを見せられた」と喜んだ。
今キャンプの参加捕手では最年長で今季1軍出場は1試合。「年齢的にも厳しい立場になってくる」と危機感を明かした。「(家族も)2軍じゃ面白くないと思うので1軍の試合で出られるように頑張ります」と1軍定着へ気合十分だ。
○…前川が紅白戦で強烈な二塁打を決めた。前回3日に続き「2番左翼」で出場。6回に佐藤蓮の146キロを中堅フェンス直撃の二塁打。第1打席はやや上体を起こしていたが、第2打席以降は重心を落とした従来のフォームに戻した。小谷野打撃コーチの脱力打法に取り組んでおり、「1打席目にこのフォームは違うなと思った。自分ではき違えていた部分もあった。良い3打席になった」と試行錯誤の中、充実の内容だった。
○…来季2年目の山田は実戦を通して今キャンプの手応えありだ。2回の第1打席で左前打を放った。「キャンプで取り組んでることが徐々に成果として出ている」と順調さをうかがわせた。第2打席は二ゴロも投手強襲の鋭い当たり。第3打席も左飛に打ち取られたが左翼後方への捉えた強い打球だった。「第3打席の打球の上がり方とか。打ちたい方向に打てたのが2打席目だった。ちゃんとボールにアプローチできた」と凡退でも収穫を得た。
○…中野が打撃改造へ積極的に取り組む。紅白戦では5回の第3打席に中前打。小谷野打撃コーチとフォーム改造に取り組み、これまでよりやや打席の外側に立つなど試行錯誤している。「フォームもまだ固まってない状態。いろいろやっていきながら感覚をつかめれば」と来季へ向け、前向きに挑戦する。
○…来季2年目の育成マルティネスが先発で好投した。紅組の先発としてマウンドに上がり2回2安打無失点。登板前のテーマは「四球を出さないこと」だったが言葉通りに無四球投球。「ストライクを投げることを意識して、結果的にゼロに抑えられたので良かった」と喜んだ。球場の球速表示で最速157キロを計測したが140キロ台もあり「ブレがあった。(常に)155、154キロくらい投げたい」と燃えた。
○…来季2年目の育成のベタンセスが紅白戦2試合連続の猛アピールだ。3日の前戦では161キロを記録。この日は6回に登板し3者凡退に抑えた。2死から迎えた島田の打席では初球でこの日最速の158キロ直球を投じ、最後は153キロ直球で3球三振で締めた。「ブルペンでいい準備できたので試合は楽しめた」と明るい表情だった。
○…白組の2番手で登板した及川が1イニングを完璧に抑えた。直球は150キロを計測し、スライダーも織り交ぜて前川、井坪、井上を3者凡退。前回3日の紅白戦で2回0封も、課題となった左打者の外角を意識した。「全体的によかった。このキャンプで真っすぐとスライダーを良くしていきたい」と改めてテーマを掲げた。