<明治安田J1:鹿島0-0名古屋>◇第36節◇9日◇カシマスタジアム
鹿島アントラーズは、ルヴァン杯覇者の名古屋グランパスに0-0で引き分けた。今季のホームで無敗は継続したが、勝ち点1の積み上げにとどまり、逆転優勝は絶望的となった。
後半13分、鹿島はエースFW鈴木優磨がチャンスになる展開で、名古屋MF椎橋慧也に体当たりでファウルを受けた。鈴木は、椎橋に胸でぶつかり倒してしまった。上田益也主審は、椎橋に「反スポーツ的行為」でイエローカード、鈴木には「乱暴な行為」でレッドカードを出した。鹿島の中後雅喜監督ら選手は猛抗議したが覆らず。中後監督にも「異議」でイエローカードが出された。
試合後、中後監督は「勝ち点3が絶対条件だった。悔しい」と振り返った。鈴木のレッドカードに「映像を見返しましたけど、あのシーンで、レッドカードが出てしまったのは、なかなか厳しい判定だったと思っている」と私見を述べた。MF三竿健斗も「あの判定は厳しい。海外の試合を見てもあれでレッドというのは…。せめてイエローかな」と本音を吐露した。
攻撃の組み立ては成長が見られ、攻撃エリアへには浸入したが、シュートやラストパスの精度を欠き、相手のブロックは打ち崩せなかった。三竿は「(鈴木)優磨が退場した時間も、ここからという中だった。11人でやっていたら勝てていた試合だった」と悔しさを口にした。
優勝は絶望的になったが、まだ、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)出場切符は手に届く場所にある。三竿は「勝ち点3しか考えていない。どんな状況であれ、鹿島は勝ち点3を狙うクラブ。どんな状況でもやることは変わらない」と言い切った。【岩田千代巳】