<SHO-BLUE ワールドチャンピオン特別編>
日刊スポーツでは今季、毎週火曜日に「SHO-BLUE」と題した企画を掲載してきた。ドジャーブルーの青きユニホームで挑戦を続ける大谷翔平投手(30)の世界観に、さまざまな角度からアプローチしてきた。「SHO-BLUE WORLD CHAMPION 特別編」として、夢の1つ「世界一」を実現させた大谷選手のメジャー挑戦7年間をあらためて読み解いていく。リーグMVP初選出の活躍を見せた21年の大谷選手の言葉を集めた第6回は「エンゼルス4年目 勝利への渇望」。
■21年大谷語録
「しっかりといい球を、しっかりとしたスイングでいい打球を広角に打てるというのが、いいバッターかなと思います」(=2月23日、打撃改良の話題から)
「打席は全部、いい打席というか、ほぼ完璧な内容ではあったので、言うことはないかなと思う」(=4月4日、初のリアル二刀流で第1打席に先制の2号。珍しく自画自賛)
「単純に見てみたいな、と。野球選手としてそういう気持ちのほうが強かった」(=6月18日、球宴のホームランダービーに日本人として初出場を表明)
「やってみないことには。何事も経験してみないと分からないので、と思います」(=6月18日、ホームランダービー参加による後半戦への悪影響を問われ)
「ありがたいですね。ルール自体を変えてもらって。そういう柔軟性だったり、なかなか伝統あるこういう場所では難しいと思うんですけど、すごく感謝しています」(=7月13日、史上初の投打二刀流で球宴出場。DHを解除せず、投手として交代後も打席に入る「特例」が認められた)
「個人的には(本塁打王を)意識しながらやりたい」(=9月10日、DH解除のリアル二刀流では日米通じて初黒星も、本塁打王争いで単独トップをキープ)
「もっと楽しいというか、ヒリヒリするような9月を過ごしたかった」(=9月26日、後半戦に主力を故障で欠いて優勝争いから脱落。来季以降への巻き返しについて率直に答える)
「ファンの人も好きですし球団自体の雰囲気も好きではあるので、ただ、それ以上に勝ちたいっていう気持ちの方が強いですし、プレーヤーとしてはその方が正しいと思ってます」(=9月26日、2年後にFAになることに関して現状の本音)
「ファンの人が喜んでいる姿を見たいというのが一番。あとは自分がこうなりたいなと思った目標に対して、やっぱり諦めきれない気持ちがそうさせてくれるのかなと思う」(=11月15日、結果が出ない中で自身を奮い立たせる原動力)
「いつまでも覚えてもらえる選手っていうのは、なかなかなれることではないので。そこは選手として1つ目指すべきものだとは思います」(=11月15日、元祖二刀流ベーブ・ルースと比較されることについて)
「夢を与えようとか、元気を与えようみたいなものは全く考えていない。そう受け取ってもらえたらうれしいなと思って毎日、頑張ってます」(=11月15日、勇気をもらったという子どもたちへのメッセージ)
「考え方を変えるということはない。ただ、勝ちたいなという気持ちは毎年、毎年、高くなってきている」(=11月15日、気持ちの面で考え方を変えたことはあるかとの質問に)
「自分でそう思う日はおそらく来ないと思うので、目標としてはアバウトというか、そういう目標ですけど、ゴールがない分、常に頑張れるかなと思う」(=11月18日、MVP獲得後、世界一の選手へさらなる意欲)
■21年の歩み
◆2月8日 年俸調停委員会による公聴会を回避し、2年850万ドル(当時8億9250万円)で契約合意。
◆2月17日 メジャー4年目のキャンプイン。
◆4月2日 ホワイトソックス戦で今季初安打の1号2ラン。
◆4月4日 ホワイトソックス戦に「2番投手」で出場。DHを解除した“リアル二刀流”で、投手では4回2/3を2安打5四球7奪三振で3失点(自責1)。最速は101・1マイル(約162・7キロ)。打者では特大の2号ソロを放った。
◆4月9日 松井秀喜、イチローに次ぐ日本人3人目の通算50号に日本人最速で到達。
◆4月21日 レンジャーズ戦で日米通算100号(日本48、米国52)を達成。
◆4月24日 メジャーで初めて左翼の守備に。11点ビハインドの8回無死二塁でDHが解除されて大谷が左翼に回り、14年7月13日のソフトバンク戦以来の守備を無難にこなした。試合前はブルペン投球、試合では6号ソロ。さまざまな条件が重なり、“三刀流”でフル回転した。
◆4月27日 レンジャーズ戦で5回を3安打4失点、9奪三振で、18年5月20日のレイズ戦以来、1072日ぶり勝利。打ってはDH解除のリアル二刀流として「2番投手」で2安打2打点3得点、日米で初のバント安打もマークした。
◆5月17日 インディアンス戦で大リーグ移籍後7度目の2試合連続本塁打(3試合連続2度を含む)で大リーグ単独トップ13号。開幕戦を除けば単独トップは初めてになる。
◆7月7日 04年に松井秀喜(ヤンキース)がマークした31本を抜き、日本人最多のシーズン32号本塁打を放った。
◆7月12日 日本人で初めてメジャーのホームランダービーに出場。1回戦でナショナルズのソト(現ヤンキース)に敗れた。
◆7月13日 史上初めて「二刀流」として選出されたオールスターに「1番DH」としてスタメン出場。特例として先発投手も務め、1回無安打無失点で、19年田中将大(ヤンキース)以来、日本人2人目の勝利投手となった。
◆8月18日 タイガース戦に「1番投手」で出場し、日本人選手として初の大台となる40本塁打を放ち、投げては自己最長の8回を6安打1失点の7連勝で今季8勝目。
◆8月31日 日米通じて自身初の本盗に成功。
◆11月18日 全米野球記者協会(BBWAA)の投票によるア・リーグMVPに満票で初選出。その後もこの年は数々の賞を受賞。