【サンアントニオ(米テキサス州)5日(日本時間6日)=四竈衛】MLBの今季のGM(ゼネラルマネジャー)会議が開幕し、早くもロッテ佐々木朗希投手(23)に話題が集中した。
現時点でポスティングが球団から容認される可能性は不透明ながら、米国内では「移籍濃厚」との予想で一致している。ドジャース最有力との見方の一方、複数の強豪球団がロッテと佐々木の決断に注目。ヤンキースも続々と大補強を続けるド軍への対抗意識を強くしており、佐々木争奪戦が勃発すれば参戦は確実視される。
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ストーブリーグがスタートした途端、日本国内以上に、米メディア内で佐々木に関する情報が急速に飛び交い始めた。現時点で佐々木のポスティング認可は未定ながら、SNS上で「佐々木がポスティングされる兆し」との情報が流れたほか、専門サイト「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタール記者が「ドジャースが最有力候補」と伝えるなど、フライング気味の報道が相次いだ。
GM会議の会場内でも、佐々木の名前はあちこちで話題に挙がった。今季、あと1歩で世界一を逃したヤンキースのキャッシュマンGMは「私はトラブルに巻き込まれたくない。他の組織の選手については話せない」とあくまでも慎重な姿勢を見せる一方、一般論として「FAで来ることになったり、ポスティングとなれば話す」と、正攻法の姿勢を明かした。
佐々木がポスティング申請を行う場合、大谷がエンゼルスへ移籍した18年と同様に、「25歳ルール」の対象でマイナー契約となるため、資金的にはほぼ全球団が参戦可能となる。それだけに、昨オフ、大谷争奪戦から早々と撤退し、山本獲得も逃したヤ軍とすれば、これ以上、他球団との争いで後れを取るわけにはいかない。同GMは「西海岸では、大物選手が大型契約をしてきた。それぞれ異なる見方があるが、我々は競っていく」と、続々と大補強を続けるド軍への対抗意識を隠そうとしなかった。
昨年3月のWBCをはじめ、同9月に来日した際に直接視察を終えており、「佐々木取り」へ参戦することは確実。ド軍最有力とのうわさが流れる中、ヤ軍が本気で乗り出すとなれば、ワールドシリーズで「スター・ウォーズ」と評された「ド軍対ヤ軍」の対決がポストシーズンで“新章”に突入することになる。大谷をはじめ山本、ダルビッシュ、今永らの活躍もあり、今オフも日本人人気の傾向は変わっていない。