<日本シリーズ:DeNA-ソフトバンク>◇第6戦◇2日◇横浜
ソフトバンク栗原陵矢内野手(28)が2日、崖っぷちからの巻き返しを誓った。「SMBC日本シリーズ2024」第6戦(横浜)は2日、雨天中止で3日に順延が決定した。前日1日には栗原が呼びかけて野手組の焼き肉決起集会を開催。山川、柳田、今宮ら主力も参加した。チームはここまで2勝3敗。26イニング無得点と沈黙する攻撃陣が息を吹き返すか。小久保裕紀監督(53)は「雨降って地固まる」と水入りが流れを変えると断言した。
◇ ◇ ◇
レギュラーシーズンで貯金42を積み上げたパの王者がこのまま敗れるわけには行かない。雨降る横浜でソフトバンク栗原が力を込めた。「もう、あと2試合なので。勝つか、勝たないかはやってみないと分からない。やれる準備をしたい」。チームは前日1日に横浜入り。その日の夜、同市内の焼き肉店に野手が集まり決起集会が開催された。発起人は栗原だった。
「こういう状況で、もう1度っていう意味も込めて。最後の遠征ですし『みんなで行きましょう』みたいな感じで」
本拠地で3連敗を喫した10月31日の試合後のロッカールームで呼びかけた。ここまで2勝3敗。4年ぶりの日本一へ崖っぷちの状況だ。若手選手も含め、山川、柳田、今宮ら主力も参加。最後は栗原の熱いあいさつで、チームは再び結束力を深めた。
レギュラーシーズンで両リーグ断トツの607得点した強力打線が、本拠地3戦でわずか1得点と沈黙。2試合連続の完封負けで、シリーズワースト記録に並ぶ26イニング連続無得点中だ。「僕らも必死に点数を取りたいと思ってやっています。その中で先制点を先に取りたい」。今シリーズここまで5試合はともに先制点を奪った方が勝利。小久保監督も「早く点を取って。どうしても後手、後手になってしまう。しっかりと野手が点を取れるように」と奮起を期待した。
悪天候の影響で日本シリーズ第6戦が中止となり、敵地横浜で選手は調整した。小久保監督は「雨降って地固まる。いい雨だと思います。リセットされた状態でガチンコで明日(3日)と明後日(4日)に勝って日本一になるっていうだけです」と前を向いた。勝利がすべて敵地という史上初の「外弁慶シリーズ」で4年ぶり日本一へ。12球団屈指の攻撃陣が意地を見せる。【佐藤究】
◆外弁慶シリーズ 日本シリーズにおいて、全試合でビジター球団が勝って日本一となれば初となる。11年の中日-ソフトバンク戦では、ヤフードームでの第1、2、6戦で中日が、ナゴヤドームでの第3~5戦はソフトバンクが、それぞれ敵地で勝利。ところが第7戦はヤフードームでソフトバンクが勝ち、史上初の外弁慶シリーズはならなかった。なお03年日本シリーズでは、ソフトバンクの前身ダイエーが阪神と対戦。全試合でホームチームが勝つという内弁慶シリーズを制し、ダイエーが日本一となっている。